〈写真:VnExpress〉
ホーチミン市のチョーライ(Cho Ray)病院では、過去2ヶ月間に11人の新型コロナウイルス感染から回復した患者が炎症と血管壊死の症状で入院し、その後2人が死亡している。
チョーライ病院のチャン・アン・ビック副院長によると、患者全員11人が新型コロナウイルス感染時に頭、顔、口の中に痛みを訴えていた。
この症状は感染回復した後も治まらず、副鼻腔炎や膿瘍など他の病気と診断され治療を行ったが体調は改善されなかった。
最初に入院した患者2人は鼻腔の手術を受け回復の傾向が見受けられたが、スキャンで血管壊死の異常部位が見つかった。
医師は再手術を勧めたが、患者たちは健康状態が元に戻ったと思い拒否した。その後、2人とも多臓器不全に陥り死亡した。
他の患者にも同じような症状が出始めているが、今のところ治療法はないという。同病院の院長は各部門と相談して解決策を決め、最終的に症状が悪化する前に手術を行うことを選択したが、患者6人が拒否し3人だけが手術を行なった。
脳神経外科のグエン・ゴック・カン副部長は、30年のキャリアで同じような症例は一度も見たことがないという。
頭蓋骨に炎症が起こることは稀で、この部分は十分な血液供給を受けていることが多く、壊死することはまずない。これらの患者は一見副鼻腔炎や顎の病気などの一般的な症状に見えたが、炎症による壊死が関与していることが判明している。
手術を受けた患者は壊死が広範囲に及んでいるため、複数の科の医師が協力して手術を行った。幸い3人の手術は成功し、抗生物質と抗真菌剤による治療を経て間もなく退院できる予定である。
ホーチミン市8区在住の患者Aさん(43)は、昨年11月に新型コロナウイルスに感染した。その後、歯痛や顔の腫れなどの症状が発症し、病院で治療を受けたが顔の腫れは収まらなかった。
さらに数回の診断を行なった結果、CTスキャンで血管壊死が見つかり、同院に転院して手術を受けることになった。
Aさんは「最初は簡単な病気だと思っていたが、チョーライ病院の医師が珍しい、異常な病気だと教えてくれた。手術前には生死の保証はできないが最善を尽くす、家族に連絡するようにと伝えられた」と話す。
同病院のチャン・ミン・チュン前副院長によると、同病院で患者に発症した症状は、すでに世界中の医療文書に記録されている。この症状は非常に稀なものであるが、昨年5月以降、インド、中国、アジア、ヨーロッパ、アメリカの一部の国を中心に80件の報告がある。
患者のほとんどが糖尿病などの基礎疾患を持ち、デルタ株流行時には全員が新型コロナウイルスに感染していた。治療法としては、壊死した組織を取り除く手術、抗生物質や抗真菌剤を使った感染症の除去などが行われている。
熱帯病局のレ・クック・フン局長によると、この症状と新型コロナウイルスの関係は明確には確認されていない。
壊死は血液の供給不足によって起こることが多く、栄養が行き渡らずに生体組織が死んでしまう。また、炎症を誘発する感染症が原因で起こることもある。手術を受けた3人の患者のうち、2人は頭蓋骨の組織が真菌に感染しており、これは海外の報告とも似ている。
稀に血管壊死は糖尿病の人にも起こる可能性があるとされていたが、新型コロナウイルスの流行以降には世界中で多くの症例が記録されるようになった。
同局長は、新型コロナウイルス患者は免疫異常を患っており、基礎疾患と組み合わさることで、真菌感染が体内で繁殖するためかもしれないと指摘する。
チョーライ病院へ入院した患者11人のうち、5人は糖尿病を患っていた。
同局長は「この状態が一般的かどうかは未だわからないが、他の脳膿瘍や髄膜炎と診断された後に死亡したケースでも、新型コロナウイルスに関連するものであった可能性もある」と述べている。




































