<写真:VnExpress>
ベトナムではフルタイムの仕事を辞めてフリーランスで働くプロフェッショナルが増えており、ギグ・エコノミーが定着しつつある。
ビデオ編集者として働くドゥックさん(28)は1年以上前にパンデミックの影響によってリモートワークを始めた。最初は非常に惨めだと感じたというが、今ではリモートワークを「この世の天国」と感じている。
ドゥックさんは毎日午前8時に起床し、朝食を食べてコーヒーを飲み、午前10時にはデスクに座って仕事を始める。パンデミック以前は朝5時に起きて昼食を作り、15キロ離れたハノイ市タインスアン区のオフィスに朝7時前に通勤していた。
パンデミックの影響で会社が一時的に閉鎖された後、経験豊富で交渉上手なドゥックさんは、フリーランスとして次々と新しい契約やクライアントを獲得し、生活の全てが一変した。今では月に3000万〜4000万ドン(約17万1230〜22万8300円)、もしくはそれ以上の収入を得ているという。
タインホア省在住のニュンさん(32)は2017年からフリーランスのウェブコンテンツライターとして働いている。最初は病気の母親の世話をするために数カ月だけフリーランスとして働くつもりであったが、時間の自由と収入の増加を目の当たりにし、フリーランスを継続することを決意した。
ニュンさんは毎日3〜5本の記事を書いて顧客に提供し、現在の月給は以前の2〜3倍である1000万〜1500万ドン(約5万7080〜8万5610円)になった。
2人の事例はベトナムでフリーランスがいかに普及しているかを示している。この傾向は何年も前から始まっていたが、パンデミックによって本格化した。多くの企業がリモートワークに切り替え、労働者はリモートワークとフレックスタイムが理想的であることに気付き始めた。
人材紹介会社のアンファーブが今年初めに行った大規模な調査によると、正規雇用からフリーランスへの切り替えが増加しており、調査対象の14%がフルタイムのフリーランス、26%がパートタイムのフリーランス、13%がフルタイムとパートタイムの両方の仕事を持っていることが明らかになった。
単純計算では労働人口の53%がギグ・エコノミーに参加していることになる。また、11月にVnExpress社が読者約800人を対象にした調査でも同様の結果が示されている。
「自宅とオフィス、どちらで働きたいか」という質問に対して85%が在宅勤務を希望すると回答し、1日8時間のオフィスワークを選択する人はわずか15%であった。
人材育成開発研究所のチャン・アイン・トゥアン科学評議会議長によると、リモートワークは必然的な傾向であり、パンデミック後は多くの人が在宅勤務に順応し、価値を見出している。
また、この変化は経済成長にとって良いことであり、労働市場の構造を変えるものではなく、フリーランスは労働者が時間を管理する方法を学び、自分や家族をより大切にし、以前の給料よりも高い新たな収入源を発見することに役立つという。
ドゥックさんはリモートワークで収入が増加し、帰郷によって家賃は不必要となり、物価高や渋滞、時間、上司の態度、同僚との関係といったことを気にする必要がなくなった。
ニュンさんも同様に、失業や給与減額を心配する必要がなく、世界的な経済不況の影響を避けることさえできた。また、仕事着や化粧品、同僚との外食への支出がなくなったため、多くのお金を節約できているという。
ビジネス文化研究所の副所長であるドー・ミン・クオン博士によると、リモートワークはデジタル経済の成長に貢献し、2030年には国のGDPの30%を占める可能性がある。
求人情報ポータルサイトのViec Lam Totは今年上半期の市場調査報告書の中で、時間や場所を選ばない仕事がトレンドになっていることを明らかにした。同調査は労働者1300人以上を対象に行われ、回答者の60%以上が転職、オンラインでの仕事探し、在宅勤務、営業職、運転手、配達員などを希望している。
Viec Lam Totのチャン・ミン・ゴック代表によると、最近の労働者は良い給料や福利厚生と同水準で、柔軟な勤務時間や勤務地を求めているという。
しかし、フリーランサーとして成功する人がいる一方で、挫折する人も多くいることも忘れてはならない。専門家は労働者がフリーランサーになる前に、自分の仕事の可能性と強みを研究し、間違った選択をしないように注意する必要があると助言する。
ホーチミン市在住のハーさん(26)は3ヶ月間フリーランスとして働いた後、現在は就職活動をしている。フリーランスで4倍の収入を得ることができたが、1日15〜16時間働かなければならず、睡眠障害になったという。
また、フリーランスは常に仕事がある訳ではなく、様々な要因に給料が左右されるため、ハーさんは月に200万〜300万ドン(約1万1415〜1万7120円)しか稼げない時もあった。誕生日手当や13ヶ月分の給料、テトボーナスといった特典、同僚との関係もフリーランスには関係ない。



































