<写真:doanhnghiephoinhap.vn>
日本企業が東南アジアでの事業拡大を進める中で、ベトナムはその中核としての存在感を一段と高めている。
若年層の比率が高い人口構成や健康志向の高まりを背景に、有望な消費市場として注目される一方、長期的な事業展開における信頼構築の難しさが課題として浮上している。
グリコベトナムのグエン・ゴック・ジエム・ハン社長は、ベトナム市場を「若く活発な消費者層に加え、健康志向の高まりが見られる重要市場」と位置づけ、東南アジアにおける戦略的拠点と評価している。
同社はベトナムを新製品投入の優先市場と定め、現地ニーズに即した商品開発を進めている。
ただし、近年では食品安全に対する懸念や偽造商品の流通が問題となり、消費者の信頼は揺らぎつつある。
こうした状況の中で、日本企業は品質や栄養価を重視する経営理念を前面に打ち出し、現地市場における信頼回復に努めている。
日本の投資ファームであるRECOFによれば、日本企業はベトナム市場への参入に際して長期的な視点を重視しており、慎重な計画立案と社内合意形成を経たうえで投資を決断すれば、容易には撤退しない傾向がある。
一方で、韓国、シンガポール、タイに加え、米国、インド、中東諸国などの企業も積極的に進出しており、ベトナム市場における競争は激化している。
限られた有力企業との提携機会をめぐる競争は、「椅子取りゲーム」の様相を呈している。
ベトナム計画投資省によれば、2025年1月から11月までの外国直接投資(FDI)は前年同期比7.4%増の336億9000万ドル(約5兆2474億円)となった。
このうち、日本からの新規投資額は15億6000万ドル(約2431億円)で、全体の9.8%を占めている。
出資や株式取得も活発化しており、アサヒ生命保険はマニュライフ傘下のMVIライフを263億円で買収した。
また、文具大手のコクヨはベトナムの大手メーカーであるティエンロンの株式65%超を取得し、同社を事業の柱の1つに据えている。
このように、ベトナムは日本企業にとって単なる輸出先ではなく、地域全体の成長を見据えた戦略的拠点として、その重要性を一層高めている。

































