<写真:nhandan.vn>
ベトナムのIT企業は従来の委託開発(オフショア)モデルから脱却し、日本企業との「共創」型協業へと形態を進化させている。
この方向性は4日にハノイ市で開催された「Japan ICT Day 2026」において、ベトナムソフトウェア・ITサービス協会(Vinasa)によって示されたものである。
Vinasaベトナム-日本IT協力委員会の委員長を務めるレー・クアン・ルオン氏は「我々は単なる下請けではなく、日本と共に未来の課題に挑む共創パートナーになりたい」と述べ、従来の関係性からの転換を強調した。
現在、日本国内では2030年までに約80万人のIT人材が不足すると見込まれており、デジタル競争力の低下が懸念されている。
一方で、ベトナムも高成長を持続させるため、デジタル分野における競争力の強化を急務としている。AI技術の進展は両国のIT協業に新たな展望をもたらしている。
日本貿易振興機構(JETRO)が2024年に実施した調査によれば、ベトナムに進出している日本企業のうち56.1%が今後1〜2年での事業拡大を予定しており、これはASEAN域内で最も高い割合である。
ベトナム科学技術省のチャン・アイン・トゥー次長は「日本は単なる投資国ではなく、品質や規律、持続可能性を重視する点で、ベトナムと共通の開発哲学を有する重要なパートナーである」と述べた。
両国の協業関係は単純な委託開発から、品質管理、プロセス整備、ソリューション設計、製品の共開発といった高付加価値領域へと広がりつつある。
これにより、ベトナム企業は日本市場の厳格な基準に対応可能な体制を整えつつある。
現在の協業モデルは委託から共同開発、技術移転から共同保有へとシフトしており、AI、半導体、ビッグデータ、デジタルプラットフォーム、スマート製造、グリーン製造といった戦略分野が中心となっている。
本イベントではVinasaより3つの戦略方針も提示された。
第一に、生成AI(ジェネレーティブAI)を活用し、生産性を重視した協業への移行。第二に、ベトナム国内のデジタル変革市場の開拓。第三に、技術者の双方向交流を通じて、ベトナムを日越のIT人材育成および実践拠点とする構想である。
さらに2026年には、日本企業のブランド力と技術力、ベトナム企業の機動力と実行力を融合した共同事業体が、ASEAN、米国、欧州といった第三国市場への進出を本格化させる見通しである。
JETROハノイ事務所の小笹治彦所長は、日本企業と海外スタートアップの連携を促進するプラットフォーム「J-Bridge」を紹介し、「今後、技術とイノベーションを有するベトナム企業が増えることで、日本企業にとって信頼できるパートナーが広がっていく」と述べた。
なお「Japan ICT Day」は2007年より毎年開催されており、ベトナムと日本の間で最も影響力のあるICT推進イベントの1つとなっている。







































