<写真:vietnamnet.vn>
旧正月(テト)を前に、家族から結婚や交際についての期待や圧力を受ける若者が増えるなか、「恋人レンタル」サービスの利用が水面下で拡大している。
主にSNSの非公開グループを通じて、数日間の帰省に同行する「恋人役」を募集・提供する動きが広がり、形式的な交際の演出が一種の商品として扱われる状況が生まれている。
ホーチミン市在住の30歳男性は、4年間続いた遠距離恋愛が破局した。
その後、家族に余計な心配をかけないための「体裁」を保つ目的で、女性を日当50万〜100万ドン(約3000〜6000円)で雇い、ダラットの実家で数日間「恋人」として過ごす計画を立てたという。
また、別の25歳男性は、親戚からの詮索を煩わしく感じ、同様に恋人役の女性を募集し、食事や観光、場合によっては宿泊を共にする条件を提示した。
このようなサービスは単なる同行にとどまらず、依頼内容によっては身体的接触を含むスキンシップや宿泊を前提とする例も見られる。
さらに、映画鑑賞や旅行への同行など、比較的長期間の関係を想定したプランを提示する業者も登場している。
形式上は「レンタル」でありながら、実態はより親密な関係性を求められるケースも少なくない。
心理学者のグエン・ティ・タム氏は、この現象の背景として、結婚や家族制度に対する信頼の低下、個人主義的価値観の浸透、経済的負担の増大などを挙げている。
親世代の期待と若者自身の人生観が乖離するなかで、一時的な安心を得るための手段として「偽装交際」が選ばれていると分析する。
法的な観点からは弁護士が、恋人を装った行為が社会的倫理に反する場合や、実質的に売春と見なされる場合には処罰の対象となり得ると警告している。
ネットユーザーからは「親に対して真実を伝える勇気を持つべき」「偽りの関係は結果的に自分自身を欺く行為」といった声が寄せられている。
また、体面を保つために安全や尊厳を犠牲にすべきではないとする指摘も目立つ。
このような「恋人演出」ビジネスの拡大は、伝統的な価値観と現代的な個人主義との間に存在する溝、そして若者が抱える孤独や不安を浮き彫りにしている。
一時的な安心を求めた選択が、より大きなリスクを招かないよう、慎重な判断が求められている。







































