〈写真:znews.vn〉
ベトナム最大都市ホーチミン市中心部における小売り向け商業施設の賃料は高止まりの状況が続いている。
外資系ブランドの旺盛な出店需要を背景に、2026年も緩やかな上昇基調が継続する見通しである。
不動産大手CBREベトナムによれば、2025年第4四半期の中心部商業施設の平均賃料は1㎡当たり月額270~285ドル(約4万1300〜4万3600円)となり、前年同期比で3~6%上昇した。
郊外の賃料は同60~80ドル(約9200〜1万2200円)で、伸び率は約2%にとどまっている。
Avison Youngベトナムの調査では、中心部の賃料は立地や物件によって月額70~300ドル(約1万700〜4万5900円)と幅がある。
高級施設では1階区画を中心に高水準が維持されており、Times Squareは約300ドル(約4万5900円)、Sheraton Saigon Hotel & Towersは約200ドル(約3万600円)、Rex Arcadeは145ドル(約2万2200円)で募集している。
新規供給が限られる中、比較的賃料の低い物件でも70~80ドル(約1万700〜1万2200円)を維持している。
高水準の賃料にもかかわらず、稼働率は極めて高い。
中心部商業施設の入居率は約96%に達しており、Diamond Plaza、Saigon Centre、Vincom Đồng Khởiでは空き区画がほぼない状況である。
CBREによると、中心部の空室率は3.4%、郊外でも5.8%にとどまっている。
背景には、用地制約や開発コスト上昇に伴う供給不足がある。
2026年に中心部で見込まれる新規供給は約1万5000㎡にとどまり、大型案件は法的手続きの遅れなどにより進展が限定的である。
需要面では高級ブランドの出店が相次いでいる。Saigon CentreにはLouis Vuittonなどが出店し、Vincom Đồng Khởiにも欧米ブランドが店舗を構えている。
郊外ではCrescent MallにZaraやMassimo Duttiが大型出店するなど、ライフスタイル関連や飲食業態の拡大が目立つ。
国内企業も大型店舗の展開を通じたブランド強化を進めており、中心部の優良物件に対する需要を下支えしている。
若年層を中心に体験型消費が広がる中、ファッション、飲食、宝飾、娯楽関連が需要をけん引している。
調査各社は、立地や運営力に優れた施設の賃料が2026年も2~4%程度上昇すると予測している。
一方で、立地競争力に劣る物件では柔軟な賃料政策が求められており、市場の二極化が一段と鮮明になりつつある。






































