<写真:laodong.vn>
日本で働くベトナム人労働者の間で、技能向上や在留資格の切り替えを通じて家族を呼び寄せ、長期定住を目指す動きが広がっている。
単なる出稼ぎから生活基盤の構築へと重心を移す傾向が鮮明である。
あるベトナム人男性は電気分野の短大を卒業後、日本企業での勤務経験を積み、2014年に技能実習制度を通じて来日した。
実習期間中は残業を抑え、日本語学習に注力し、最上級のN1を取得したという。
ベトナム帰国後は語学力を強みに再就職し、2019年に技術者ビザを取得して再来日した。現在は長野県の企業で通訳業務に従事している。
新型コロナウイルス禍では一時帰国がかなわず家族と離れて暮らしたが、その間に収入を積み増し、2022年に妻子を呼び寄せた。
現在は社内で技能実習生や特定技能人材の管理を担い、住宅も35年ローンで取得するなど、家族での生活基盤を固めている。
一方、2010年に留学で来日した男性は、日本の国公立大学を卒業後、企業に就職し技術者ビザを取得した。
神奈川県横浜市で家庭を築き、現在は私立大学で外国人留学生の募集業務を担当している。
生活が安定したのち実弟を留学で呼び寄せ、卒業後は貿易分野で就職した。家族単位での移住モデルが定着しつつあることを示す事例である。
厚生労働省によると、2025年時点の外国人労働者数は約257万人に達する。このうちベトナム人は約60万人と最大規模で、全体の23.6%を占める。
内訳は技能実習が約35%、特定技能が22%、技術・人文知識・国際業務が約18%、家族滞在が約11%である。
特定技能と技術者を合わせた比較的高度な人材は約4割に達しており、長期在留や家族帯同を前提とした構成へと変化している。
人材送り出し企業の幹部は、日本が技能実習に代わる新制度の導入や高度人材受け入れ拡大を進めていることを背景に、定住志向は今後さらに強まるとの見方を示す。
一方で、不法滞在は将来的な長期ビザ取得や再入国に重大な支障を及ぼすと警鐘を鳴らし、正規ルートでの渡航と語学力・技能の向上が不可欠であると指摘する。
日本社会に根差し、家族と生活する選択肢が広がるなか、在日ベトナム人の就労は「短期出稼ぎ」から「定住型」へと質的転換を遂げつつある。


































