<写真:vietstock.vn>
ベトナム株式市場が急落し、投資家の間で底値買いを巡る議論が広がっている。専門家は短期的な反発の可能性を認めつつも、地政学リスクが続く環境では拙速な買いは危険であるとして、慎重な姿勢を取るべきであると指摘している。
3月9日の取引では、主要株価指数であるVN指数(VN-Index)が前日比115ポイント(6.51%)下落し、1652.79で取引を終えた。市場では350銘柄がストップ安となり、509銘柄が下落した一方で、上昇した銘柄は54にとどまった。
急落を受け、一部の投資家は割安株を狙った底値買いの好機とみるものの、さらなる調整を警戒する見方も強まっている。
証券会社VPSの分析部門ディレクターであるレ・ドゥック・カイン氏は、底値買いの可否は投資戦略によって異なると指摘する。長期投資の観点では、急落局面が買い場となる場合もあり、大幅下落後には市場が反発する傾向もみられるという。
ただし短期投資の観点では、今回の下落はまだ初日であり、さらに1~2日程度の調整が続く可能性があるため、リスクは高いとの見方を示した。
同氏はまた、現金比率が高い投資家であれば少額からの分散投資を検討する余地はあるものの、短期売買ではなく長期保有を前提とすべきであると助言する。
さらに、相場が不安定な局面では資産配分の管理やレバレッジの抑制が重要であり、平均取得単価を引き下げるナンピン買いにも慎重であるべきであると述べている。
一方、ホーチミン市経済大学のグエン・フー・フアン准教授は、地政学リスクに関する悪材料は市場の初期段階で急激な売りを招く傾向があると指摘する。
ただし、中東情勢の変化によって相場の動きは大きく左右されるため、下落が何日続くかを予測するのは難しいとの見方を示した。
証券会社カフィ(Kafi)も、現在の市場は機会よりもリスクが大きい局面であると分析する。信用取引の追い証による強制売却が連鎖的な下落圧力を生む可能性があり、2~3営業日ほど下げが続く確率は依然として高いとしている。
そのため投資家は現金比率を高め、市場の下げ幅が縮小することと出来高が安定することという2つの回復シグナルを確認するまで、慎重に様子を見るべきであるとの見方である。
株式市場の急落は富豪の資産にも影響を与えた。米フォーブスによれば、ビングループ創業者のファム・ニャット・ブオン氏の資産は同日午前だけで約14億ドル(約2184億円)減少し、237億ドル(約3兆6972億円)となった。
また、マサングループのチャン・ダン・クアン会長も資産を減らし、フォーブスのドル長者リストから外れたという。
VN指数の急落は、世界的な株安の流れとも重なっている。中東情勢の緊迫化により原油価格が1バレル110ドル(約1万7160円)を超え、米株価指数先物も下落するなど、国際金融市場全体に不安心理が広がっている。




































