<写真:tuoitre-vn>
ベトナムでは、肌を白くする目的で行われる点滴や注射による健康被害が相次いでおり、アナフィラキシーショックや死亡に至る事例も報告されている。
保健省が美白目的の注射や点滴を認可していないにもかかわらず、無資格者や設備の整っていない施設で施術が行われている実態が問題となっている。
ホーチミン市では2026年2月、34歳の女性が自宅マンションで美白点滴を受けた後に死亡する事案が発生した。
女性は同日午後、医療器具を持参した人物から点滴を受けたが、夜になって体調が急変した。
施術者が病院へ搬送したものの、女性は到着前に死亡していたことが確認され、警察が原因を調査している。
ホーチミン市皮膚科病院によれば、同院では毎年、美容施術に伴うさまざまな合併症の患者を多数受け入れている。
美白点滴に関連する事故では、全身の蕁麻疹や粘膜の腫れ、呼吸困難、血圧低下などの症状が現れることがある。
重症例ではアナフィラキシーショックにより死亡する可能性があるという。
SNS上では、自称医師が美白成分の注射や点滴を行う様子を公開し、「数回で肌が明確に白くなる」といった効果を強調する宣伝も見受けられる。
安全性や法的問題について警告が出されているにもかかわらず、こうした情報が利用者を誘引している状況である。
専門家によると、美白点滴に使用される成分としては抗酸化物質のグルタチオンやビタミンCなどが挙げられる。
これらの成分は皮膚科領域で使用されることがあるものの、認められているのは主に内服や外用であり、美白目的の静脈注射や点滴は保健省の許可対象ではない。
医療条件を満たさない場所で施術を受ける場合、患者の健康状態の評価不足や不適切な手技、合併症への対応能力の欠如などが重なり、重大な医療事故につながるおそれがある。
実際に、重症化してから病院に搬送されるケースも多く、治療が困難になる場合もあるという。
また専門家は、短期間で外見を改善したいという心理が、効果を強調する広告に消費者を引き寄せる要因になっていると指摘する。
リスクに関する情報が軽視されやすい状況が、未承認の美容施術の利用拡大につながっているとみられる。
医師らは、美容施術を検討する際には信頼できる医療機関で専門医の診察と助言を受けることが重要であると強調する。安全性を最優先に判断する姿勢が求められる。
一方で、違法な美白点滴が依然として行われている現状を踏まえ、専門家は規制強化の必要性を指摘する。
薬剤の流通管理を徹底するとともに、無許可の美容施設に対する監督や検査を強化することで、抑止効果を高める必要があるとしている。
なお、皮膚を明るくすることを目的とした施術には、医師の管理下で行う内服薬や外用薬、レーザー治療、光治療、ケミカルピーリングなど、比較的安全性が確立された方法も存在する。
ただし、肌質によって効果や適応は異なるため、専門医による診察を受けたうえで実施することが望ましい。






































