<写真:thanhtra.com.vn>
ベトナム保健省は、高齢者の地域ケア強化に向け、日中ケア拠点の整備を柱とする新たな制度設計を進めている。
現在、人口法施行細則に関する政令案について意見公募を実施しており、その中で在宅および地域における高齢者ケアの具体策を提示している。
同案では、在宅ケアに関して、疾病予防や早期発見、自己管理に関する知識・技能の普及を重視している。
高齢者本人および家族に対し、日常生活支援や身体・精神の健康維持、社会的つながりの確保に向けた助言を提供する方針である。
また、法令に基づく医療サービスの利用方法や関連政策に関する情報提供も行う。
さらに、重病や移動困難などの理由で医療機関の利用が難しい独居高齢者に対しては、国家予算による費用支援を想定している。
地域ケアの柱としては、新たに「日中ケア拠点」と「高齢者クラブ」の整備を提案している。
特に日中ケア拠点については、村落の集会所やスポーツ施設、居住区のコミュニティ施設など既存インフラを活用して設置する方針であり、新たな組織や定員の増加を伴わない点が特徴である。
設置場所は基礎自治体が決定し、地域資源を最大限に活用する。
人員体制は、ボランティア、基礎医療従事者(保健ステーション職員や人口協力員など)、医療専門職の三層構造とし、一定の研修および資格要件を満たすことを求めている。
運営財源は国家予算を基本としつつ、合法的な外部資金の動員も認める。具体的な支援水準は地方政府が決定する仕組みである。
本制度は、地域を基盤とした多層的かつ柔軟な高齢者ケア体制の構築を目的とするものであり、高齢者の生活の質の向上と医療システムの負担軽減を図るものである。
統計総局によれば、ベトナムの60歳以上人口は2024年に約1420万人であり、2034年には約2090万人、2044年には約2750万人、2074年には約3850万人に達する見通しである。
ベトナムは今後10年余りで人口ボーナス期を終え、急速な高齢化を経て、今世紀半ばには超高齢社会へ移行すると予測されている。



































