〈写真:dantri.com.vn〉
ベトナム国会は4月7日、トー・ラム共産党書記長を2026〜2031年任期の国家主席に、レー・ミン・フン党中央組織委員長を同任期の首相にそれぞれ選出した。両氏は国会で宣誓し、新たな国家指導体制が正式に発足した。
トー・ラム氏は7日午前9時15分、出席議員の全会一致で国家主席に選出された。トー・ラム氏が共産党書記長と国家主席を兼務するのは、2024年に続いて2度目である。国家主席は国家元首として内政と外交を代表し、憲法や法律の公布、政府および司法の主要人事に関する提案、恩赦や国籍に関する決定、軍の統帥など、幅広い権限を担う立場である。
トー・ラム氏は69歳で、北部フンイエン省の出身である。公安分野を中心に経歴を重ね、2016年から8年間にわたり公安相を務めた。その後、2024年5月に国家主席、同年8月に共産党書記長に選出された。
近年は、2030年までに近代工業を備えた中所得国となり、2045年までに高所得の先進国入りを実現する目標を掲げてきた。科学技術、イノベーション、デジタル転換を成長の原動力と位置づける一方、政治機構の簡素化、地方行政の再編、汚職や浪費への対策強化、対外関係の拡大も主導してきた。
同日午後3時5分には、レー・ミン・フン氏が首相に選出された。レー氏は国会で宣誓し、2026〜2031年任期の政権運営を担うことになった。前任のファム・ミン・チン首相は任期満了により退任した。
レー・ミン・フン氏は56歳で、中部ハティン省の出身である。国家銀行では国際協力や金融分野の要職を歴任し、2016年には46歳で国家銀行総裁に就任した。その後は党中央弁公室長を5年間務め、2024年5月から党中央組織委員長を務めていた。
2026年1月の第14回党大会では政治局員に再選され、同年3月の第16期国会議員選挙ではハイフォン市で99.87%の得票率で当選している。
就任演説でレー・ミン・フン首相は、2026〜2031年を「歴史的機会のある任期」と位置づけ、5つの重点方針を示した。第一に、制度整備と行政手続きの削減を進め、現代的で奉仕型の政府を築くとした。
第二に、同期間のGDP成長率を年平均10%超とする高成長と持続的成長を「発展の命令」と位置づけ、科学技術、イノベーション、デジタル転換を最重要の突破口に据えた。第三に、教育、医療、社会保障を強化し、「誰一人取り残さない」との方針を示した。
第四に、文化を民族の内発的な力と位置づけつつ、国防と安全保障を強化する考えを明らかにした。第五に、地方分権を進め、地方でより適切に担える業務は地方に委ねることで、基礎自治体の主体性を高める方針を打ち出した。
新体制の下で、ベトナムは党・国家指導部と政府の両輪を固め、経済成長、行政改革、科学技術振興、社会保障の充実を同時に進める構えである。トー・ラム国家主席が示してきた2045年の高所得国化構想と、レー・ミン・フン首相が掲げる高成長・効率行政路線が、今後どのように具体化されるかが注目される。








































