<写真:nguoiquansat.vn>
ベトナム南部の労働市場では、中高年層の求職者が増加する一方で、企業側の採用需要は低水準にとどまっており、需給のミスマッチが顕在化している。
ホーチミン市人材サービスセンターが公表した2026年第1四半期の労働市場報告によれば、求職者は約5万2600人に達した。
企業の求人は約8万2700件と、表面的には需要が供給を上回る状況にある。しかし、年齢層や職種別に見ると偏りが大きい。
年齢別では、36〜49歳の中高年層が約2万1000人と全体の約40%を占め、最も多い。これは25〜35歳層(約38%)を上回る水準である。
他方、企業側の求人において同年齢層を対象とした募集はわずか0.32%にとどまり、18〜35歳の若年層が41%以上と優先されている。
この背景には、中高年層が一定の職務経験を有し、より高い収入や労働環境を求めて転職活動を行う傾向があることが挙げられる。
一方で、企業の需要は主として単純労働に集中しており、全体の33%以上を占める。
さらに、求人の約82%は学歴不問または高校卒業以下を対象としており、工業団地や輸出加工区では若年労働力への需要が強い。
このような需給の不一致により、中高年層は経験を有しているにもかかわらず、新たな技能や技術への適応が求められる職種では採用が難しくなっているのが実情である。
もっとも、同センターは状況を過度に悲観する必要はないとしている。
全体の約58%に当たる約4万8000件の求人は年齢制限が設けられておらず、中高年層にも一定の就業機会が開かれている。
また、製造、機械、保守、機械運転といった分野では熟練労働者の不足が続いており、経験豊富な人材に対する需要は依然として存在する。
販売やサービス分野においても、短期研修を通じた就業機会が見込まれる。
第2四半期には、生産活動の拡大に伴い、求人は6万〜7万5000件規模で推移すると予測されている。
一方で、労働者側は年初の変動を経て安定志向を強めるとみられ、供給はやや減少する可能性がある。



































