<写真:baodautu.vn>
インフルエンザウイルスは年間を通じて流行し、複数の感染症が同時に広がる状況では同時感染のリスクを高め、症状を悪化させる可能性がある。
5日、ホーチミン市感染症学会の常任副会長で、同市第1小児病院の元感染・神経科部長であるチュオン・フー・カイン医師が明らかにした。
ベトナムをはじめとする熱帯地域では、高い湿度と降雨量によりインフルエンザウイルスが一年中拡散しやすい環境にある。
このため感染リスクは特定の季節に限定されない。一方、温帯地域では主に寒冷で乾燥した冬季に流行が集中する。
さらに急速な都市化や人口密度の上昇、人の移動増加も感染症拡大の要因となっている。
インフルエンザはデング熱や手足口病など熱帯特有の感染症と同時に流行することが多い。
インフルエンザとデングウイルスによる同時感染は重症化しやすく、入院率が高く、死亡例も確認されている。
ベトナムでは例年、年末から冬春期にかけてインフルエンザの症例が増加し、A型(H1N1、H3N2)およびB型が中心となる。
2025年末には月間の季節性インフルエンザ患者数が約8500~1万1000人に達し、年央に比べ急増した。
特に北部地域で多く、子どもはA型に感染しやすい傾向がある。2026年初頭にはA(H5N1)、A(H5N6)、A(H7N9)などの鳥インフルエンザ感染例も確認された。
また、2026年初から3月末までにデング熱の患者は全国で約3万2000人に達し、前年同期の2倍以上となった。
保健当局は、蚊の繁殖が活発となる5月から11月にかけて感染者がさらに増加すると見込んでいる。
手足口病も年初から4月初旬までに2万5000人以上が感染し、前年同期の5倍に増加した。患者の約93%は1~5歳の幼児である。
さらに複数の地域で髄膜炎菌感染症の発生も確認されており、重症化する例もある。同感染症は呼吸器を通じて感染し、進行が速いため早期発見と治療が重要とされる。
カイン医師は、複数の病原体が同時に存在する場合、健康への影響はより大きくなると指摘する。
インフルエンザは単独の疾患にとどまらず、体の防御機能を低下させ、他の病原体の侵入を容易にする要因となる。
インフルエンザと新型コロナウイルスの同時感染も大きな課題である。
両ウイルスに同時感染した場合、病状は急速に悪化し、約3分の1が入院し、そのうち半数が死亡するケースもあるという。
こうした状況を踏まえ、専門家はインフルエンザワクチンの定期接種を重要な予防策として推奨している。
ワクチン接種により感染リスクや症状、合併症の発生を抑制でき、特に子ども、妊婦、基礎疾患を持つ人、高齢者などの高リスク群で効果が期待される。
また、他の感染症との同時感染の抑制にも寄与し、疾病負担の軽減につながる。
世界保健機関(WHO)は、ウイルスの変異に対応するため毎年の接種を推奨しており、ワクチンが入手可能な時点で柔軟に接種することが望ましいとしている。
加えて、個人衛生の徹底や必要に応じたマスク着用など、基本的な感染対策の継続も重要である。



































