<写真:thanhnien.vn>
ホーチミン市で梅毒の感染者数が過去5年で倍増し、感染拡大と対策の難しさが浮き彫りとなっている。
ホーチミン市では2020年に4899例であった梅毒感染者が、2025年には9511例に増加した。
背景には、安全でない性行為や感染に気付かないまま放置されるケース、さらに社会的偏見や基礎医療人材の不足といった課題がある。
実際、19歳の男性は皮膚の潰瘍や関節の腫れを訴え受診し、検査の結果、悪性梅毒と診断された。
男性は過去に同性間の性的接触歴があり、複数のパートナーを持ち、5年前にHIV感染も確認され治療中であった。
また別の43歳男性も視力低下や手足の発疹を契機に受診し、梅毒陽性が判明した。
ホーチミン市皮膚科病院のブイ・マイン・ハー副院長は、梅毒患者は長期的に増加傾向にあり、過去10~15年で3~5倍に増えたと指摘する。
医療体制の向上により診断能力が高まり発見数が増えた側面に加え、リスクの高い行動や社会的要因も感染拡大の要因となっているという。
特に男性同性愛者(MSM)で感染率が高く、HIVとの重複感染も多い。SNSや出会い系アプリの普及で国境を越えたパートナー探しが容易になり、感染拡大を後押ししている。
梅毒は主に性的接触で感染し、血液や母子感染の経路もある。治療が遅れると皮膚や粘膜に加え、筋肉、骨、心血管、神経系にまで障害が及ぶ。
中枢神経に感染した場合、髄膜炎や脳血管障害、認知機能低下などを引き起こすほか、長期的には大動脈瘤など致命的な合併症につながる可能性がある。
ホーチミン市の医療機関では2024~2025年に約500件の性感染症受診があり、このうち約200件が梅毒と診断された。
先天性梅毒については発生数は多くないものの、胎児への影響は極めて深刻とされる。
こうした状況を受け、ホーチミン市は2026年に性感染症対策プログラムを開始した。妊婦の初診時および出産前のスクリーニングを100%実施し、先天性梅毒の排除を目指す。
専門家は、若年層での感染増加について、早期の性行動開始と予防知識の不足、SNSやマッチングアプリによる接触機会の増加を主因に挙げる。
予防には安全な性行為やコンドームの適切な使用、ワクチン接種が有効とされている。

































