<写真:thanhnien.vn>
ベトナムで美容整形に伴う合併症が年間約2万5000~3万5000件発生していることが明らかになった。
急成長する美容市場の裏で、医療性を欠いた施術の広がりが問題となっている。
保健省ホーチミン市代表事務所のダオ・バン・シン代表によれば、ベトナムでは国内の美容産業が急速に拡大して「爆発的成長」とも言える状況にある。
市場規模は数十億ドル規模に達し、年間平均25万件の施術が行われている。
一方、医療機関には毎年2万5000~3万5000件の整形・美容関連の合併症が報告されており、深刻な水準となっている。
原因として指摘されるのが、無許可のスパや美容施設の増加である。
ホーチミン市美容形成外科学会のグエン・タイン・バン会長は、医療資格のないスタッフが施術を行い、不明確な材料を使用する「非医療化」の傾向が広がっていると説明した。
合併症は軽度の内出血や体液貯留から、生命に関わる重篤なものまで多岐にわたる。
腹部形成術後に発生する深部静脈血栓症や肺塞栓症は致死率が21%超とされ、大量脂肪吸引や脂肪移植後の脂肪塞栓症も死亡率が10~15%に上る。
ヒアルロン酸注入など比較的簡易とされる施術でも、血管閉塞や壊死、失明に至る例が報告されている。
実際に、36歳女性が外部施設で脂肪吸引と腹部形成術を受けた後、感染性ショックと腹膜炎を発症し、100日以上の治療と複数回の手術を経て一命を取り留めたが重い後遺症が残った。
64歳女性が複数の美容手術を同時に受けた後に死亡したケースも報告されている。
専門家は、美容整形は外科手術の一分野であり、常に合併症のリスクが伴うと強調する。
また、広告でうたわれる「医師不要」の高度技術に依存する風潮にも警鐘を鳴らし、安全性と効果は医師の判断と技術に左右されると指摘した。
一方で、国内の美容産業は海外からの顧客も増加しており、技術力向上や設備投資の進展、周辺国より30~60%低い費用が競争力となっている。
市場の健全化に向け、専門家は無許可施設の取り締まり強化や施術データの公開、施設ごとの業務範囲の明確化が必要と指摘する。
利用者に対しても、施術前の健康確認や、特に45歳以上や基礎疾患のある場合の慎重な判断を求めている。
また、適切な施設、資格を持つ医師、正規製品、標準的手順の「4つの正しさ」を守ることが安全確保の基本とされる。
合併症が発生した場合は施術を中止し、速やかに医療機関を受診するとともに、領収書や広告内容などの証拠を保管することが重要であるとしている。







































