<写真:tuoitre-vn>
ベトナムの主要電子商取引(EC)プラットフォームであるShopee、TikTok Shop、Lazadaがほぼ同時に各種手数料を引き上げ、出店者や小規模事業者の収益圧迫が深刻化している。
Lazadaは5月19日、販売事業者向け通知で、5月26日から成約注文ごとの処理手数料を従来の5%から6%(付加価値税含む)に引き上げると発表した。
さらに、これまで無料であった技術インフラ手数料として、成約1件あたり3000ドン(約18円)を新たに徴収する。
Shopeeも5月23日から、公式モール以外の出店者を対象に複数の手数料を一斉に引き上げる。
ファッション、美容、ベビー用品、日用消費財などで販売手数料が上昇するほか、割引プログラム「Voucher Xtra」の費用も一部で商品価格の約4%から5.5%に引き上げる。
共同負担型の割引施策では、出店者の負担割合を割引額の40%、最大5万ドン(約300円)とする。
また、返品や配送失敗を補償する「PiShip」などの料金も上昇する。加えて、5月29日からは、成約注文ごとに最低1%を広告残高に自動充当する「表示維持」政策を導入する。
TikTok Shopも5月9日から多くの業種で販売手数料を引き上げた。
新たな手数料率は業種や店舗形態によって約9%から17.8%となり、特にファッションや美容、ベビー用品、日用品で影響が大きい。
これに加え、取引手数料や注文処理費用、配送関連費用、広告費など複数のコスト負担が発生する。
こうした一斉値上げにより、多くの出店者は利益確保が困難な状況に直面している。
価格を引き上げれば顧客離れの懸念があり、据え置けば赤字に陥る可能性があるとされる。
実際、販売者の中には、1件の注文に対して取引手数料や広告費などで40〜50%のコストを負担しているとの声もある。
プラットフォーム各社は、手数料引き上げの理由について、インフラや技術、サービスへの再投資、運営コストの増加などを挙げる。
Shopeeは決済や取引処理システムの強化、販売支援ツールの拡充を目的と説明し、TikTok Shopも物流やAI機能の改善、販売者支援の強化を進めるとしている。
一方で、一部の業種では手数料の小幅引き下げや新規出店者向け優遇策も導入されている。
Shopeeは特定カテゴリーで固定手数料を1%引き下げ、Lazadaは新規出店者に対し30〜90日間の固定費免除や送料無料などの支援を実施する。
しかし、出店者側の負担増は続いており、国内企業の競争力にも影響が及んでいる。
EC市場では海外ブランドの存在感が高まっており、2026年第1四半期の美容分野では売上高が24兆4000億ドン(約1460億円)、販売数量が1億5990万点に達したが、有力ブランド上位のうちベトナム企業は1社にとどまる。
販売者からは、手数料上昇により国内生産の継続が難しくなるとの懸念も出ている。
さらに、政策決定における透明性や対話不足を指摘する声もあり、信頼低下につながる可能性があるとの見方もある。
コスト増加を受け、出店者は広告費の削減や自らライブ配信を行うなど対応を迫られており、販売手法にも変化が生じている。



































