<写真:tuoitre.vn>
ベトナムで偽造品や模倣品の製造・販売が依然として深刻な問題となっており、手口の巧妙化と規模の拡大が進んでいる。
市場では摘発を恐れるどころか、偽造品を扱う一部業者が「VIP Au」「like auth」「1:1」などの表現を用い、高級感を演出しながら販売を正当化する動きも見られる。
製造工程についても「制作」と称し、本物同様の品質を強調する。
高級ブランドの偽造品を扱う業者は、正規品を入手して素材を集め、細部まで修正を重ねることで外観を限りなく本物に近づけていると説明する。
例えば正規店で2億ドン(約118万円)超のバッグが約1000万ドン(約5万9000円)で販売されるケースもあり、ブランド価値ではなく品質を重視するように消費者心理を誘導している。
同様の手法は宝飾品分野にも広がっている。正規価格1億5000万ドン(約88万5000円)超のブレスレットが約300万ドン(約1万7700円)で販売されるなど、「同品質で低価格」とする宣伝が行われている。
一方、欧州諸国などでは偽造品の所持や使用も知的財産権侵害として厳しく規制され、摘発された場合は没収や数千ドル規模の罰金が科される可能性がある。
空港などでの検査も強化されている。しかしベトナムでは、外国人観光客が偽造品を持ち出しても問題なかったとする投稿が拡散されるなど、販売側の無自覚さも目立つ。
ホーチミン市中心部の市場では、偽ブランド品が公然と販売される様子が外国人観光客によってSNSに投稿されており、観光イメージや小売市場の信頼性にも影響を及ぼしている。
企業側の被害も深刻である。眼鏡販売チェーンを展開する企業は、偽造品が路上だけではなく店舗にも広がり、ブランド価値が損なわれていると指摘する。
化粧品分野でも電子商取引の拡大に伴い偽造品が増加し、価格重視の消費行動が被害を助長しているとの声がある。
こうした状況の中、当局は摘発を強化している。ホーチミン市警は5月23日、知的財産権侵害の疑いで店舗経営者夫婦を起訴した。
2021年初頭から2026年5月までに偽ブランド品を販売し、不正に45億ドン(約2655万円)の利益を得たとされる。
店舗では米国や欧州の著名ブランドを模倣した商品1913点、総額約10億ドン(約590万円)相当が押収された。
別の個人もスポーツブランドの偽造靴を販売し、35億ドン(約2065万円)超の利益を得たとして起訴された。
ニンビン省では約7600足の偽造靴、約42億ドン(約2478万円)相当が押収されるなど、各地で摘発が相次いでいる。
さらに、健康食品分野でも複数企業が関与する偽造品問題が発覚し、数千万点規模の商品が市場に流通、違法利益は数千億ドン規模に上るとされる。
市場管理当局によると、2026年初めからこれまでに882件の違反が摘発され、約7万7100点の商品、約101億ドン(約5959万円)相当が押収された。
罰金総額は約51億ドン(約3009万円)に達し、刑事事件として2件が捜査機関に送致された。
偽造品の氾濫は消費者被害にとどまらず、公正な競争環境を損ない、正規事業者に大きな負担を与えている。



































