<写真:doanhnghiephoinhap.vn>
ベトナム公安省は、2026年改正の行政違反処理法において、行政罰の上限額を引き上げる案を提示した。
現行では個人に対する罰金の上限は10億ドン(約600万円)であるが、これを1.5倍の15億ドン(約900万円)に引き上げるとしている。
現行法では、行政違反に対する罰金は個人で5万ドン〜10億ドン(約300〜600万円)、組織では10万ドン〜最大30億ドン(約600〜1800万円)と規定されている。
改正案では、個人の上限を15億ドン(約900万円)に引き上げる一方、組織の上限は30億ドン(約1800万円)のままとする。
公安省は、2012年以降、各分野における罰金の上限が据え置かれている点を指摘する。
当時の基礎賃金は月額105万ドン(約6300円)であったが、2025年には234万ドン(約1万4000円)へと2.2倍に上昇した。
また、1人当たり平均所得も2012年の約200万ドン(約1万2000円)から2024年には770万ドン(約4万6000円)へと3.85倍に増加している。
一方で、多くの分野において違反行為による利益が罰金上限を大きく上回るケースがあり、現行の制裁は抑止力として不十分で、違反の危険性や性質に見合っていないとしている。
改正案ではさらに、各分野における罰金上限を政府が定めることを可能とする規定を新たに盛り込んだ。
これにより、物価変動や違反行為の複雑化などに応じ、法律改正を経ずに柔軟に上限を調整できる仕組みとする。
新たな分野に関しては、国会常務委員会の同意を得た上で政府が上限を設定する。
また、現行法第56条では、個人で50万ドン(約3000円)、組織で100万ドン(約6000円)以下の違反に限り、違反記録の作成を省略できるとされているが、改正案ではこの基準を倍増する。
これにより、交通秩序違反など比較的軽微な違反については、現場で迅速に処理できるようになる。
さらに、監視カメラや記録機器によって確認された違反については、必ずしも違反記録の作成を必要としないとする規定も提案された。
既に電子データによる証拠が十分に存在する場合、手続きの簡素化を図る狙いである。
公安省は、これらの措置により手続きの効率化とコスト削減を図り、行政機関がより重大かつ複雑な事案に資源を集中できるようになるとしている。
同改正案は7月9日まで意見募集が行われ、2026年10月の第16期国会第2回会議で審議・採択される見通しである。


































