<写真:xaydungchinhsach.chinhphu.vn>
ベトナム労働総連盟は、労働者の生活が依然として厳しい状況にあるとして、2027年から地域別最低賃金を8.5~9.8%引き上げる案を提示した。
国家賃金評議会の2027年最低賃金調整に関する初会合で、同連盟は2つの案を提案した。
第1案は平均9.8%の引き上げで、月額36万~52万ドン(約2200~3200円)の増額、第2案は平均8.5%で31万5000~45万ドン(約1900~2800円)の増額とする内容である。
あわせて、時間当たり最低賃金は月額最低賃金を基に換算し、調整係数を適用して算出するとした。適用時期は2027年1月1日を提案している。
この提案は、7省・市の196企業で約2000人の労働者を対象に実施した調査結果に基づく。
調査では、54.3%が収入は基本的な支出を賄うのが精一杯と回答し、20.6%は生活費が不足しており副業で補っていると答えた。
さらに26.8%は毎月の生活維持のために借り入れを行っている。
生活費に加え、教育費や医療費、住宅費も負担となっている。労働者1人当たりの平均居住面積は約7.6㎡にとどまり、都市部の住宅基準を大きく下回る水準である。
収入の低さは人生設計にも影響しており、未婚者の過半数が結婚判断に賃金が影響するとし、既婚者の約73%が現在の収入では追加の出産計画を延期していると回答した。
同連盟は、2026年初めの7.2%の最低賃金引き上げでは経済成長や生活費上昇に追いついていないと指摘し、2027年以降の追加調整は必要とする。
収入の大半が生活必需に消え、貯蓄余力がほぼない状況では、雇用や健康、物価の変動に対して不安定になりやすいとしている。
一方、企業側を代表するベトナム商工会議所(VCCI)のホアン・クアン・フォン副会頭は、最低賃金の調整自体には同意しつつも、2027年1月1日からの適用は準備期間が短く、企業にとって負担が大きいと指摘した。
企業側は適用時期を同年7月1日に延期する案を提案している。
労働・賃金分野の専門家は、生活費が上昇する中で9.8%の引き上げは妥当としながらも、効果を高めるには物価抑制策との併用が不可欠と指摘する。
住宅費や学費、生活必需品の価格が上昇し続ければ、実質所得の改善は難しいとする。
また、適用時期については柔軟な対応が可能であり、条件の整った企業は年初から実施し、困難な企業は後ろ倒しとする代わりに差額を遡及支給すべきとした。
長期的には、最低賃金の調整は労働生産性の向上やインフレ抑制、価格水準の安定と連動させ、労働者が経済成長の成果を享受できる仕組みが必要であるとしている。


































