<写真:イメージ画像>
ホーチミン市でかつて「犬肉通り」として知られた地区が相次いで姿を消している。
最後まで営業を続けていたコンクイン通り189番地の路地の犬肉店も2026年初めに閉店し、店主はヤギ肉料理店へ業態を転換した。
若い世代を中心に犬肉を食べる習慣が薄れ、需要が大きく減少したことが背景にある。
店主は2001年に開業した。当時、この路地には約7店舗が並び、2010~2015年ごろには数十店舗が軒を連ねる最盛期を迎えた。
しかし約5年前から新規客が減り始め、常連客も半減したという。
周辺の店舗も次々と閉店し、2025年末には同店だけが残っていた。地方当局から業態転換を勧められたこともあり、2026年初めに犬肉販売をやめ、ヤギ肉料理へ切り替えた。
同様の動きは市内各地で広がっている。ファム・バン・ハイ通りやオンター三差路では、かつて並んでいた10店以上の犬肉販売店が2025年末までに閉店した。
ファム・バン・バック通りなどでも店舗数は大きく減少し、犬肉店はヤギ肉店や飲食店、各種サービス業へ転換する例が目立つ。
背景には消費者意識の変化がある。犬を家族や伴侶動物として飼う家庭が増えたことで、犬肉を避ける人が増加した。
2021年に動物保護団体Four Pawsがハノイとホーチミン市で実施した調査では、24歳未満が最も犬肉を食べない世代であった。
ホーチミン市では回答者の88%が犬肉を食べないと答え、91%が犬猫の売買に反対し、95%が犬猫の食用はベトナム文化ではないと回答した。
動物保護団体Laws for Pawsの創設者エリザベス・ホンフレイ氏は、犬肉需要の減少は若い世代の価値観の変化によるものであると指摘する。
また、食肉として流通する犬には盗難被害に遭った飼い犬が含まれるケースが多いとして、学校で動物保護教育を進めているという。
ホーチミン市人文社会科学大学のグエン・タイン・フォン博士は、犬肉は南部の伝統的な食文化ではなく、20世紀初頭の移住とともに広まった習慣であると説明する。
所得の向上で食の選択肢が増え、海外との交流拡大や伴侶動物に対する考え方の変化も需要減少を後押ししたと分析する。
一方で、表通りの店舗が消えたからといって取引そのものがなくなったわけではなく、一部は路地裏や住宅で営業を続けている可能性があると指摘した。








































