<写真:イメージ画像>
韓国では食事中に茶わんを手に持たず、卓上に置いたまま食べる作法が長く受け継がれている。
ベトナムや中国、日本では茶わんを持ち上げて口元に近づける食べ方が一般的であるのとは対照的で、この違いが改めて注目を集めている。
きっかけは7月初旬、韓国系米国人シェフのクリス・チョ氏が、韓国とベトナム、中国、日本の食事作法の違いをSNSで紹介したことである。
韓国の利用者からは「幼い頃から茶わんを持ち上げるのは無作法であると教えられてきた」との声が相次いだ。
一方、日本では茶わんや小ぶりの汁わんを持ち上げるのが礼儀とされ、逆に器を卓上に置いたまま顔を近づけて食べることは好ましくないとされる。
韓国文化情報機関も、茶わんや汁わんを持ち上げないことや、ご飯に箸を突き立てないこと、年長者より先に食べ始めないことなどを食事の基本的な作法として挙げている。
ただし、現代では麺類やファストフード、小さな器の料理では柔軟に対応する家庭もあるという。
こうした習慣の背景には、韓国の伝統的な食具「スジョ」がある。
長柄のスプーンと金属製の箸を組み合わせ、スプーンでご飯や汁物を口へ運び、箸で肉や野菜、副菜を取るため、器を持ち上げる必要がない。
ソウルで食文化研究に携わる料理研究家ソ・ヨン・ジョン氏は、スプーンでご飯を食べる文化が、茶わんを持つ行為を無作法と考える習慣につながったと説明している。
歴史的にも、朝鮮半島では小麦栽培に適した地域が限られ、雑穀ご飯と汁物、副菜を組み合わせた食事が長く定着したため、スプーンと箸を併用する文化が維持された。
また、古くから王族や上流階級が使用した金属製の器は熱を伝えやすく、熱い料理を入れた茶わんを手に持ちにくかったことも、この作法を後押ししたとされる。
さらに、茶わんを持って食べる姿は、食卓を持たない貧しい人や物乞いを連想させるという民間の考え方も伝えられているが、これが主な理由であったことを示す歴史資料は確認されていない。





































