<写真:nld.com.vn>
ベトナムにおいて、月額1億ドン(約60万円)超の高額報酬を得る管理職の増加が顕著となっている。
人材紹介大手ナビゴス・グループが発表した2026年版の給与・労働市場報告によれば、上級管理職の中には月収が最大で5億ドン(約300万円)に達する例も見られる。
特に高度な専門性が要求される産業においてその傾向が強い。
とりわけ農業テクノロジー分野では、最高経営責任者(CEO)の報酬が月額5億2000万ドン(約312万円)を超える事例が確認されており、他業種と比較して際立って高水準となっている。
さらに、金融、保険、医薬品、FMCG(消費財)といった分野でも、上級管理職の月給は3億〜4億5000万ドン(約180万〜270万円)に達している。
この高報酬の傾向は、製造業、物流、電子、自動車といった産業にも広がりを見せている。
これらの業種では、複雑化するサプライチェーンの管理や国際基準への対応、コスト最適化といった課題への対応力が求められており、特にCTO(最高技術責任者)や技術部門の責任者には、月給2億7000万ドン(約162万円)以上が提示されることもある。
企業のデジタル転換およびAI活用の加速が、技術人材の市場価値を一段と高めている状況である。
注目すべきは、この高報酬の波が若手技術者にも及ぶ点である。
これまで月収1億ドン(約60万円)を超える水準は、豊富な経験と高位の役職に裏打ちされたものであったが、現在ではAIやデータ分析など先端技術に精通した若手人材が、実務経験5年未満で月収1億〜1億4500万ドン(約60万〜87万円)を得る例が報告されている。
このような変化は、企業が「役職」ではなく「価値創出能力」に基づいて報酬を決定していることを示している。
調査対象となった企業の約77%が、テクノロジー分野に強みを持つ人材に対し、高水準の報酬を支払う意向を明らかにしており、スキル格差が今後さらに収入格差を拡大させる可能性が高い。
ベトナムの労働市場は、単なる雇用の場から、能力を資本とする競争の場へと急速に変貌を遂げている。
労働者にとっては、技術的・管理的能力を継続的に向上させることが不可欠であり、企業にとっては、優秀な人材を確保するための積極的な投資が求められる時代に入っている。





































