<写真:znews.vn>
ベトナムにおけるホテル運営事業者の92%以上が、2026年に宿泊料金を引き上げる方針を示している。
米不動産大手JLLの調査によれば、値上げ幅は概ね2〜8%であり、観光需要の急速な回復が主な要因である。
JLLベトナムの上級コンサルタントであるファン・ティ・アイン・ダオ氏は、市場報告イベントにおいて、今回の調査が業界関係者との共同で実施されたものであると説明した。
需要の高まりとコスト上昇を背景に、ホテル事業者の価格戦略が見直されつつある。
実際に2025年第4四半期における主要都市の宿泊料金は前年同期比で大きく上昇している。
ホーチミン市では19%の上昇、ハノイ市で5%、ダナン市で7%、カインホア省では2%の上昇が確認された。
また、Avison Youngベトナムの報告によれば、同期間中における主要都市の4〜5つ星ホテルの宿泊料金も平均5〜8%上昇した。
5つ星ホテルの平均宿泊料金は170〜188ドル(約2万6000〜2万9300円)、稼働率は75〜80%となっており、4つ星ホテルでは110〜130ドル(約1万6800〜2万300円)で、稼働率は72〜78%に達している。
これらの数値は、国際旅行者やビジネス客からの安定した需要を反映しているといえる。
ベトナム政府観光総局の発表によると、2025年に訪越した外国人観光客は前年比20%増の約2120万人に達し、中国、インド、欧州からの訪問が特に顕著であった。
ホーチミン市やハノイ市では、2025年末時点の宿泊需要および価格水準が、2018〜2019年のピークをすでに上回っている。
さらに、建設費・人件費・運営費といったコストの上昇も価格改定の一因である。
事業者にとっては、利益確保とサービス品質の維持の両立のため、価格引き上げが不可避な状況となっている。
ホテル業界における競争軸も、従来の「量」から「質」への転換が進められている。
客室数の拡大よりも、顧客体験の向上やサービスのパーソナライズに重点が置かれるようになり、8%前後の価格上昇が市場に受け入れられる環境が整いつつある。
加えて、出張やMICE(企業イベントなどを含むビジネス旅行)需要の増加も、宿泊料金の上昇を後押ししている。
航空インフラの整備や国際金融センター構想により、高水準の宿泊需要が都市部に集中する傾向が見られる。
今後はミドル〜ラグジュアリー層をターゲットとした、持続可能性やブランド価値を重視したホテル開発が進む見通しである。
好立地と安定した収益基盤を備える物件が、今後の市場を牽引することが期待されている。


































