<写真:vneconomy.vn>
2026年1月26日に施行されたベトナム政府の新たな「政令46号」により、食品や農産物の輸入通関に深刻な混乱が生じている。
必要な運用指針や移行措置が整備されないまま即時施行されたことで、企業や港湾インフラが対応できず、大量の貨物が港や国境で滞留している状況である。
ホーチミン市のカットライ港では、2月4日時点で約1800本を超えるコンテナが滞留しており、多くの企業が新制度下で必要とされる検査登録や許認可の取得ができず、通関手続きに着手できていない。
従来の政令15号(2018年施行)では、衛生や安全に関する検査を複数の省庁が分担していたが、新政令では農業・環境省が一元的に担当し、さらに地方政府への権限移譲も盛り込まれた。
この変更により、従来1ステップで完了していた手続きが3ステップへと複雑化し、実質的に検査の頻度も増加している。
特に、自社使用目的の原材料輸入に関しては「これまで申告が不要であったが、今後は全面的な申請と検査が求められる」との変更に対し、企業の間で混乱が広がっている。
ベトナム物流企業協会(VLA)は、制度変更への準備不足が混乱の主因であり、現状では即応が困難であると指摘している。
さらに、動植物関連製品に関しては動物検疫と食品安全の「二重検査」が発生しており、サンプルの重複採取や手続きの煩雑化により、通関コストおよび時間の増加が避けられない。
加えて、検疫機関と食品安全機関との間でリスク管理に関する基準の統一がなされておらず、現場では不整合が頻発している。
こうした事態を受け、VLAをはじめとする業界団体は政令の適用を2026年3月末まで停止し、内容の見直しを行うように求めている。
また、国際的な検査機関の結果を認める制度の導入や、成分変更のない原材料に対する検査の免除といった柔軟な対応も要望されている。
混乱の拡大を受けて、ファム・ミン・チン首相は2月3日深夜、必要書類が揃っている貨物については即時通関を許可するように指示した。
後日の検査やサンプル採取の並行実施を各省庁に求め、通関の停滞緩和を目指している。
農業・環境省は検疫手続きに関する具体的なガイドラインを発出し、地方政府への権限移譲を加速させている。
また、工業貿易省も2月2日に対応タスクフォースを設置し、地方政府に対し体制整備を要請した。
あわせて関連施設の一覧も公表し、早期の事態収拾に向けた取り組みを進めている。





































