<写真:nld.com.vn>
ベトナム企業において、1997年以降に生まれたZ世代が労働力の中核を担い始めており、その対応が急務となっている。
企業の採用担当者たちは、給与や福利厚生、労働環境に対するZ世代の明確な期待に応えるべく、従来の採用手法の見直しを進めている。
ハノイ市にある広告会社の人事担当者によれば、曖昧な表現を多用した旧来の求人票では応募者を集めることが困難になっており、詳細な職務記述書への改訂が不可欠であるという。
Z世代は総支給額と手取りの違い、保険の適用範囲、試用期間中の給与支給率、残業代の算出方法、福利施設の有無といった具体的かつ透明な情報を重視する傾向が強い。
また、Z世代が重視するのは待遇面にとどまらず、企業文化や職場環境、働きがいといった非金銭的価値にも強い関心を寄せている。
求職者のうち36%が「より良い職場環境を求めて転職も辞さない」と回答しており、職務記述の曖昧さや企業に関する悪評が転職理由となることも少なくない。
こうした背景を受け、企業側は求人情報の透明化、応募者への迅速な対応、そしてSNSを活用した情報発信に力を入れている。
特にTikTokやInstagramなど、Z世代が日常的に使用するプラットフォームは、新たな採用チャネルとして注目されている。
一方で、Z世代の就労意識そのものにも変化が見られる。彼らは経験年数よりも成果を重視し、柔軟な働き方を強く求める傾向がある。
また、上司に対するフィードバックを積極的に行い、組織内における双方向の対話を重視する姿勢が顕著である。
人材紹介企業コックコック社の人事責任者は「Z世代の特徴は、自律性と高い職業意識にある。企業は原則や基準を守りながらも、現実に即した柔軟な管理体制への転換が求められている」と指摘する。
また、採用・人材開発企業の元人事責任者である人物も「Z世代は職場環境との適合性を重視し、自ら職場を選ぶ立場で行動する」と述べており、企業側も「能力が高い人材」より「共に働ける人材」を重視する傾向が強まっている。
その結果、職務記述書には社内文化やビジョンに関する記述を盛り込む動きが広がっている。
Z世代の台頭によって企業は精神的な健康やワークライフバランスといった要素をより真剣に考慮するようになっており、こうした変化は他の世代の労働者にも好影響を与えている。
Z世代の価値観と声が、企業文化の進化を促しているのである。








































