<写真:hcmcpv.org.vn>
ベトナム内務省は、2026年の旧正月(テト)後における労働者の転職動向について、大規模な「ジョブホッピング」は発生しないとの見通しを示した。
その背景には、企業がテト前から積極的に人材確保策を講じてきたことがある。
内務省によれば、テト後3日間の職場復帰率は85%に達し、2月最終週には95%まで上昇した。
企業は離職防止策として、帰省および復職時の送迎バスの手配、年始の祝儀や抽選会の実施、初春の社内行事の開催などを行っている。
さらに、定時出勤者への特別手当の支給、初日の出勤を祝日扱いとする賃金加算、2月の皆勤賞、家賃補助の拡充、2026年第1四半期中の研修計画や昇進機会の明示など、多様な施策を展開している。
こうした見通しは、人材サービス企業ナビゴス(Navigos)が実施した2026年採用動向調査とも一致している。
同調査によれば、不安定かつ競争的であった前年の労働市場を経て、労働者は転職に対して慎重姿勢を強めている。
安定性や精神的健康、仕事と私生活の均衡を重視する傾向が一層鮮明となった。
「安定」とは長期雇用や高賃金のみを指すものではなく、ワークライフバランスを含む広義の概念である。
転職を検討する際には、約46%が社内異動と社外転職の双方を選択肢としている。
2026年は新規採用の拡大よりも、既存人材の育成および従業員体験の向上に重点が移る見通しである。
調査では、50%の企業が社内エンゲージメントや企業文化の構築を重視すると回答し、46%が研修・能力開発を挙げた。
賃金・賞与の引き上げを選択した企業は44%であり、通勤・住宅・昼食支援などの生活支援策に注力する企業は約6%にとどまった。
一方で、労働者の転職が抑制されることは企業の安定経営に寄与するものの、工業団地が集積する地方では依然として人手不足が続いている。
これはテト後に周期的に生じる現象である。北部工業省のバクニン省では、2月23日時点で90%超が職場復帰し、ほぼ全員が復帰したとされるが、一部の遠方出身者は休暇を延長している。
バクニン省就業サービスセンターによれば、第1四半期には約6万人の採用需要が見込まれている。
職種は一般工から技能工、ラインリーダー、技術職まで幅広いが、特に電気・電子・情報分野の一般労働者が全体の92%超を占める。
繊維・縫製、皮革・履物、加工産業がこれに続く。
生産拡大を進める企業としては、鴻海(ホンハイ)、ラックスシェアICT、フーカン・テクノロジー、ゴアテック・ビナなどが挙げられる。
2026年の採用市場は、第一に一般労働者の供給不足、第二に大型案件の増加による企業間の人材獲得競争の激化、第三に一部労働者の技能や規律不足に伴う再教育コストの増大という3つの課題に直面している。
同センターは、現在は労働者にとって好機であると指摘している。
採用奨励金や住宅・食事補助、皆勤手当などにより実質所得が増加しており、より良い労働環境を選択できる状況にあるためである。
企業側も質の高い人材を確保するため、企業文化の整備、管理能力の向上、実効性のある福利厚生の充実を一層求められている。





































