<写真:vietstock.vn>
日本の老舗菓子メーカーである不二家は、ベトナム南部タイニン省に設置した工場をアジア向けの生産・輸出拠点と位置付け、主力商品の海外展開を本格化させる。
同社の現地子会社フジヤ・ベトナムは、ソフトクッキー「カントリーマアム」の生産を開始した。
タイニン工場は2025年11月に稼働し、年間生産能力は約3600トン(約5億枚)である。同ブランドにとって初の海外生産拠点となる。
生産品は2026年6月末までに、日本を含む12カ国・地域へ輸出する計画である。
まず3月にタイで販売を開始し、その後は韓国や台湾へ展開する。
さらにインドネシア、インド、バングラデシュなど東南アジアおよび南アジアの主要市場にも順次供給する方針である。
現在、日本の秦野工場から輸出している9市場については、今後ベトナム生産品への切り替えを進める。
不二家は創業100年を超える菓子製造・小売企業であり、日本国内に1000店超を展開している。
2025年の連結売上高は約1195億円で、前年から8%超増加した。アジア太平洋地域の菓子市場は拡大基調が続いており、今後も年率5%超で成長すると見込まれている。
現地生産の背景には、コスト競争力と通商環境の優位性がある。
日本貿易振興機構(JETRO)によれば、ベトナムに進出する日系企業の工場労働者の平均年収は5000ドル(約77万5000円)台にとどまり、日本や中国と比べて低水準である。
不二家は、日本と同等の品質をより低コストで実現可能としている。
製品仕様は市場ごとに調整する方針である。ベトナム向けは健康志向に配慮して甘さを抑え、韓国向けは甘味を強める。
原材料は小麦粉や砂糖を現地調達する一方、チョコレートなど一部は輸入するが、多国間の自由貿易協定を活用することで調達コストの抑制を図る。
同工場には拡張余地があり、将来的には他製品の生産も視野に入れる。
味の素やキユーピーなど日本の大手食品企業もベトナムで事業拡大を進めており、同国を東南アジア戦略の中核拠点とする動きが広がっている。







































