<写真:nhipsongkinhdoanh.vn>
米国とイスラエルによるイランへの空爆を受け、ベトナム株式市場の代表指数であるVN指数(VN-Index)が短期的なリスクに直面している。
もっとも、過去の事例をみる限り、地政学的衝突が同指数に与える影響は限定的であり、下落は一時的にとどまり、その後回復する傾向が確認されている。
国内証券会社の分析によれば、軍事衝突が発生した際、VN指数は短期的に下落するケースが多いとされる。
統計では、過去4年間にウクライナや中東、ベネズエラなどの軍事的緊張に関連して市場が反応した例は7回確認されている。
そのうち3回では、緊張の高まりと同時に指数が下落した。
2022年2月末、ロシアがウクライナで軍事作戦を開始した際には、VN指数は約1.2%下落した。
2024年4月中旬には、イランによるイスラエル攻撃を受けて1日で約5%の急落となった。
さらに直近でも、中東情勢の緊迫化により投資家心理が慎重化し、指数は約2.5%下落している。
一方で、ハマスによるイスラエル攻撃や米国のベネズエラでの軍事行動の際には、直後の大きな下落は見られなかったものの、その後およそ半月にわたり指数が軟調に推移した。
ユアンタ・ベトナム証券のグエン・テー・ミン氏は、軍事衝突は数日から数週間といった短期では市場にマイナスの影響を及ぼすが、時間の経過とともにその影響は弱まると指摘する。
VPBank証券のチャン・ホアン・ソン氏も、原油価格の上昇やインフレ圧力、地政学リスクへの懸念が短期的な下落要因になるとの見方を示している。
もっとも、VN指数は世界の主要株価指数と比較すると、地政学リスクの直接的な影響は小さいとされる。
米国のS&P500種株価指数、ナスダック総合指数、ダウ工業株30種平均は、中東情勢の緊張時に1~2%程度下落することが多い。
一方、ベトナム市場の調整幅は通常1%未満にとどまる傾向にある。2024年4月の急落は例外的な事例であり、為替圧力や外国人投資家による売り越しが重なった可能性が高い。
また、軍事衝突時には、石油・ガス、化学、海運などの銘柄が市場全体の動きと逆行して上昇する傾向も確認されている。
地政学的緊張の高まりにより、原油価格や海運運賃の上昇が見込まれるためである。
直近の取引でも石油関連銘柄が軒並みストップ高となり、買い注文が大きく積み上がる状況となった。
ただし、中期的な影響については依然として不透明である。ACB証券は、原油価格上昇の恩恵を最も受けるのは上流の石油企業に限られる可能性が高いと指摘する。
また、原油価格の持続的な上昇は世界の需要動向や供給管理の状況に左右されるため、先行きは不確実性が大きい。
足元のVN指数は中東情勢の緊迫化を受け、2営業日連続で下落している。
ただし多くの専門家は、調整幅は限定的にとどまり、紛争が長期化せず原油供給に深刻な影響が生じなければ、市場は比較的早期に回復するとみている。
原油価格が産油国の対応によって安定すれば、指数は再び上昇基調に戻る可能性がある。


































