<写真:happyvietnam.vnanet.vn>
ベトナム各地で若者が伝統市場に出店し、新たな活気を生み出す動きが広がっている。
賃料が低下した空き区画を活用し、カフェやファッションなどの小規模店舗を開業することで、長年の商業空間に新しい客層を呼び込む取り組みである。
ラムドン省ダラット市のダラット市場では、30代前半の若者2人が約6㎡のキオスクでコーヒー店を運営している。
2025年末に開業したこの店舗は、観光客の休憩や写真撮影のスポットとして人気を集めている。
2人はタイ・バンコクの伝統市場で見た小型キオスク型店舗に着想を得て起業を決めたという。
月額約300万ドン(約1万8000円)の賃料で、長年空き区画となっていたスペースを借り受けた。
市場の設備は限られており、上下水道がないため、仕込みや洗浄作業を別の場所で行わなければならないなど不便も多い。
それでも通路沿いという立地が集客につながり、観光客や買い物客が気軽に立ち寄る店となっている。
同市場の3階では、長期間空き区画となっていたキオスクが次々と再利用されている。
2025年10月ごろに開業したカフェがSNSで話題となり、動画共有サービスTikTokで数百万回再生されたことが契機となった。
現在ではコーヒーや軽食、雑貨などを扱う店舗が並び、若者向けの飲食・買い物エリアへと変化している。
市場管理者によれば、4か月で110区画のうち80区画が埋まり、出店者の多くは20~34歳の若者である。
こうした動きはホーチミン市やハノイ市、ダナン市、カントー市などの都市でも見られる。
SNSでは「伝統市場」に関するハッシュタグが多くの閲覧数を集めており、主にZ世代が運営する小規模店舗が注目されている。
小さなスペースと低賃料を生かし、ニッチな商品で起業に挑戦する事例が増えている。
ホーチミン市のファムバンハイ市場では、かつて月1200万~2000万ドン(約7万2000〜12万円)であった小規模区画の賃料が、現在は100万ドン(約6000円)程度まで下落している。
30代前半の女性起業家は約4㎡の衣料品店を開き、限られた空間を工夫して商品を陳列している。
ただし来客数は日によって変動が大きく、売り上げが安定するまでには時間を要するとしている。
長年市場で商売を続けてきた商人の中には、若者の参入によって市場の雰囲気が変化したと評価する声もある。
SNSを活用した集客や店舗デザインなど新しい販売手法が導入され、従来の商人にも変化を促している。
消費者行動を研究する専門家は、この現象をオンライン販売から実店舗への拡張と分析する。
市場を体験型ショールームとして活用し、TikTok ShopやZalo、Facebook、Shopeeなどのオンライン販売と組み合わせることで顧客層を広げる狙いがある。
若者の起業は利益追求だけではなく、独自性やコミュニティ形成を重視する傾向があり、伝統市場の新たな役割を生み出しつつある。








































