<写真:tuoitre.vn>
ベトナム南部ホーチミン市の検察当局は、2023年にタンソンニャット国際空港で発覚した麻薬密輸事件に関連し、計227人を起訴した。
本件は、ベトナム航空の客室乗務員が違法な麻薬運搬に利用されたことを契機に摘発された大規模な組織犯罪である。
起訴対象には、モデルのアンドレア・アイバー・カルモナや歌手のチー・ダンなどの著名人も含まれており、麻薬使用の組織化や所持などの罪に問われている。
主犯格とされるホアン・シー・タン被告らは、密輸、売買、所持、犯罪隠匿など複数の罪状で訴追された。
捜査当局によれば、本件は高度に組織化された犯罪であり、複数の省・都市にまたがる広域ネットワークを形成していた。
電子取引や通信手段を活用し、明確な役割分担のもとで密輸および流通が行われていた点が特徴である。
密輸の手口は極めて巧妙であり、麻薬は歯磨き粉や洗剤、食品などの日用品に偽装され、フランスからベトナムへ持ち込まれていた。
特に2023年3月には、客室乗務員4人の手荷物から押収された歯磨き粉327本のうち157本に、合計10kg超の合成麻薬(ケタミンおよびMDMA)が隠匿されていたことが発覚し、事件の端緒となった。
主犯格のハー・ダン・ナム容疑者は、海外在住のベトナム人や航空関係者を利用し、複数回にわたって密輸を実行していた。
2023年初頭から摘発に至るまでに少なくとも8件の輸送が確認されており、一部は摘発を免れて市場に流通していたとみられる。報酬は1回あたり数百万から数千万ドンに上っていた。
当局は本件を特別捜査案件「VN10」として位置付け、捜査を拡大して関係者の摘発を進めた。現在、逃亡中の被告4人については欠席裁判が請求されている。
一方で、麻薬を運搬した客室乗務員4人については、違法薬物の存在を認識していなかったと判断され、刑事責任は問われていない。
報酬も貨物重量に応じた運搬費にとどまり、主犯グループとの直接的な関係は確認されなかった。
本件は、国際物流や航空ネットワークが悪用される麻薬犯罪の深刻さを改めて浮き彫りにするものであり、ベトナム当局は今後も取り締まりの強化を進める方針である。



































