<写真:thanhnien.vn>
燃料価格の急騰を受け、ベトナムでは在宅勤務の導入や通勤費補助を拡充する企業が広がっている。従業員の負担軽減と同時に、企業側も運営コストの抑制を急いでいるという。
背景には中東情勢の緊迫化とホルムズ海峡の閉鎖があり、エネルギー価格は上昇を続けている。
4月2日午後11時30分時点で、ガソリン「RON95-III」は1L当たり2万5150ドン(約152円)、軽油は4万820ドン(約247円)に達した。
2月末と比べてガソリンは約25%上昇し、軽油は2倍以上に高騰している。
政府は省エネルギー対策の徹底を求めており、商工省も実施可能な業務について在宅勤務の活用を促している。こうした方針を受け、各企業は勤務形態の見直しを進めている。
ホーチミン市のある広告制作会社は、約4年間続けた在宅勤務を終了して2月末にオフィスを再開したが、燃料高を受けて再び在宅勤務へ移行した。
IT機器関連のある企業は、3月半ばから従業員の2割を在宅勤務に切り替え、研究開発や営業、支援部門を対象としている。
銀行大手も本社部門で柔軟な勤務体制を導入し、大手メディア企業は4月から毎週水曜日を全社員のオンライン勤務日とした。
生産業でも一部職種で柔軟な働き方が広がっている。水産大手企業は、全従業員の約3分の1を占める事務部門に柔軟勤務を認めた。
現場業務の全面的な在宅化は難しいものの、エネルギー価格の上昇に対応するため、業務体制の再設計が進められている。
また、通勤費の補助に踏み切る企業も増えている。
ある水産企業は従業員1人当たり月30万ドン(約1818円)の燃料手当を支給し、ある屋外広告会社は試用期間中の社員を含め月50万ドン(約3031円)を補助している。
また、燃料費の1割を負担し、配送や技術部門には100km当たり10万ドン(約606円)を支給するなど、職種に応じた支援を行う企業も現れた。
さらに企業は、配送ルートの最適化や省燃費車両の導入、太陽光発電設備の設置といった対策も進めている。
事業継続計画(BCP)を整備し、エネルギー価格が一定水準を超えた場合に在宅勤務や移動削減策を発動する仕組みを整える動きも見られる。
アジア開発銀行(ADB)は3月末の報告書で、東南アジアの新興国について、戦況次第では国内総生産(GDP)が0.6〜2.3%押し下げられ、インフレ率が最大で3%上振れする可能性があると指摘した。
需要抑制策として在宅勤務や柔軟勤務の推進に加え、都市部で自家用車の使用を控える日の設定などを提言している。
国際エネルギー機関(IEA)も、相乗りや公共交通の利用、航空移動の抑制を呼びかけている。








































