<写真:znews.vn>
ベトナムのIT人材市場で、基礎的なコーディングができる人材は過剰である一方、AIなど高度スキルを持つ人材が不足している実態が明らかになった。
求人プラットフォームTopCVが公表した2025~2026年のトレンド報告によると、IT・ソフトウェア分野は企業の優先採用分野で第2位(8.64%)を占める。
中でもAIエンジニア(12.2%)、ブリッジエンジニア(9.92%)、ソリューションアーキテクト(9.16%)、モバイル開発者(7.63%)、ソフトウェアアーキテクト(6.87%)は採用が最も難しい職種とされる。
需要は高い一方、企業の53%が高度スキル人材の不足を指摘し、34.3%は質の高い候補者の供給が限られていると回答した。
さらに、IT人材にはコミュニケーション能力(57.3%)、批判的思考(39.7%)、プロダクト思考(33.6%)などの不足も目立つ。
ITViecの報告では、市場は回復傾向にあるものの採用は選別が厳格化している。
2025年に66.1%の企業がIT人材を増員し、2026年も69.6%が増員を見込む一方、34.3%はAIによる生産性向上を理由に採用を抑制するとした。
Navigos Groupの2026年労働市場報告では、AIを含む技術理解と応用力が最重要要件(76.8%)とされ、高度技術分野の拡大に伴い専門性の高い人材への需要が強まっている。
こうした環境下で、新人プログラマーの就職は厳しさを増している。
ある新卒エンジニアは、約10回の面接を経ても採用に至らず、企業からはAIの活用によりジュニア採用を減らしていると説明されたという。
統計でも新人向け雇用の減少が示されている。スタンフォード大学の研究では22~25歳のプログラマー雇用が2022年のピークから約20%減少した。
Ravioの報告では2025年の初級人材採用は前年比73.4%減となった。
世界経済フォーラムは企業の41%がAIで自動化可能な職種削減を見込むとし、SignalFireのデータでも大手テック企業の新卒採用は2019年以降で50%以上減少している。
企業側も採用方針を転換している。ダナン市のソフトウェア企業CEOは、従来は新卒採用を重視していたが、現在は既存社員へのAIスキル教育を優先していると述べた。
Bizinoの共同創業者グエン・ドゥック・ホアイ氏は、AIによりコード生成やテストなどの作業が短時間で可能となり、採用基準が大きく変化したと指摘する。
同社では従来3~4人のジュニアが担っていた業務を、シニア1人とAIで55%速く完了できるという。
同氏はベトナム市場について「AI人材は不足しているが、基礎的なコーディング人材は過剰」として、AIは雇用を奪うのではなく採用基準を引き上げていると分析する。
企業はアルゴリズム能力だけではなく、AIとの協働能力も評価対象としている。
RikkeiSoftのホアン・ミン・バウ氏も、AI導入により初級職の需要が減少し、AIの出力品質管理やプロセス設計ができる人材の需要が増加していると述べた。
加えて、チーム連携や顧客理解に必要な感情知能も重要視されている。



































