<写真:laodong.vn>
ベトナム財政省は、税務滞納が100万ドン(約6000円)以上で登録住所において事業活動を行っていない場合、出国を一時停止できる規定を新たに提案した。
同省が司法省に送付した税務管理法の施行指針に関する政令案によると、登録された事業所在地で活動していない納税者に対する出国停止措置を追加する。
具体的には、個人事業者、事業世帯主、企業や協同組合の法定代表者が登録住所で活動しておらず、かつ100万ドン(約6000円)以上の税を滞納している場合、通知受領後30日を経ても全額納付しなければ出国停止の対象となる。
一方、現行規定の対象も維持される。
すなわち、個人事業者や事業世帯主は5000万ドン(約30万円)以上、企業や協同組合の代表者や所有者は5億ドン(約300万円)以上の税を120日超滞納した場合、また海外移住のため出国する者が税を滞納している場合も、出国停止の対象となる。
今回の新提案では、登録住所で活動していない納税者に限定し、100万ドン(約6000円)という低い滞納額でも出国停止を適用する点が新しい。
ハノイ中小企業協会(Hanoisme)の副会長兼事務総長マック・クオック・アイン氏は、この提案について、登録住所で活動していない納税者に対する管理強化は合理性があると指摘する。
こうした対象は税務当局による連絡や債権回収が困難であり、不正請求書の利用や「幽霊企業」の発生、税負担を残したままの失踪につながるリスクがあると述べた。
一方で、同氏は100万ドン(約6000円)という基準は「非常に低い」とし、出国停止が移動の自由や商取引、出張、契約締結、学習、医療、親族訪問などに直接影響する点を踏まえ、違反の程度に見合った対象設定と善意の納税者を保護する仕組みが必要であるとした。
また、SBLaw法律事務所の代表グエン・タイン・ハー弁護士は、出入国の自由は憲法で保障された基本的権利であり、制限は特別かつ合理的な理由に限るべきであると指摘する。
100万~5000万ドン(約6000~30万円)の滞納は比較的小規模であり、強制措置としては不相応で、事業者に不安を与える可能性があるとした。
財政省によると、登録住所で活動していないにもかかわらず税を滞納している納税者は約96万3500人(企業32万5500社、事業世帯63万8000件)に上り、滞納総額は32兆1300億ドン(約1928億円)である。
このうち、100万ドン(約6000円)未満の滞納者は約49万6200人(全体の51.5%)で、総額は約660億ドン(約3億9600万円)となっている。
現在までに、こうした納税者のうち約6万5000人が出国停止措置を受け、そのうち7100人以上が納税後に措置を解除されている。
専門家は、零細事業者が移転後に情報更新を行っていない場合や、小額の未納に気付かないケース、税務手続きの複雑さなどが滞納の要因となっていると指摘する。
また、事業登録後のデータ連携が不十分なため、住所変更や活動停止が早期に把握されず、滞納が累積する事例もある。
このため、段階的な強制措置や複数回の通知、納税者が通知を受領したことの確認など、手続きの慎重な設計が必要との意見も出ている。







































