〈写真:tuoitre.vn〉
ハノイ市の小売賃貸市場は、2026年第1四半期に約5万1000㎡の新規供給が加わり、総供給面積が約143万㎡に達し、中心部外でのテナント獲得競争が一段と激化している。
不動産サービス会社クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドの市場報告によると、同期間の供給拡大は主に市中心部周辺や西部エリアの商業施設および低層部商業区画によってもたらされた。
商業施設は市場全体の約85%を占めている。
新規供給は従来の中心部集中から、土地余力が大きく都市化が進む郊外エリアへと大きく移行している。
こうした動きは、飲食や娯楽、コミュニティ体験を組み合わせた複合型消費への需要の高まりを反映している。
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド・ベトナムによれば、明確なコンセプトと安定した居住者基盤を持ち、運営戦略を柔軟に展開できるプロジェクトが競争優位を持つ。
供給増にもかかわらず、同四半期の平均稼働率は86.5%と前期比で0.6ポイントの小幅低下にとどまった。
新規案件の一部でテナントが内装工事段階にあることが主因とされる。需要は引き続き飲食と娯楽業態が牽引している。
市場では「フックロン」や「スケッチャーズ」などのブランドによるフラッグシップ店舗の出店も確認された。
電子商取引の拡大を背景に、開発業者は単なる購買の場から体験型の目的地へと転換する「デスティネーション・リテール」モデルへの移行を進めている。
コミュニティ空間や娯楽施設、飲食集積、体験型コンテンツの充実が、来店客の滞在時間を延ばす要因となっている。
2026年第1四半期の1階賃料は平均で1㎡当たり月額51.4ドル(約7970円)となり、前期比で9%超、前年同期比で10%超上昇した。
特に中心部周辺の新規案件が高い賃料水準で市場を押し上げた。
一方、中心部はブランド力や安定した来客数を背景に引き続き高い競争力を維持している。
運営が良好なプロジェクトでは、競争圧力の高まりの中でも賃料水準を維持している。
同社は2028年までに約31万4000㎡の新規小売スペースが追加供給される見通しで、その大半が西部および郊外に位置するとしている。
供給拡大により稼働率の安定化には時間を要する可能性があるが、人口集積や明確な市場ポジションを持つ案件は相対的に高いパフォーマンスを維持するとみられる。





































