<写真:vietnamplus.vn>
ベトナムでQRコードを活用した越境決済の導入が進み、中国や韓国からの観光客が現地通貨への両替や国際カードを使わずに支払いできる環境が整いつつある。
2026年1~5月のベトナムにおける非現金決済は、2025年末比で約38%増加した。
インターネット経由の取引は66%増、モバイル端末は33%増、QRコード決済は50%超の伸びとなった。取引量の拡大にもかかわらず、銀行システムは安定的に稼働している。
ベトナムは2026年4月、中国および韓国とQRコードによる越境決済を正式に開始した。
導入初期から両国との取引は好調に推移している。今後はシンガポール、台湾、インド、日本などへの接続拡大も予定する。
国家銀行決済局のファム・アイン・トゥアン局長は、2026年を複数国との二国間決済プロジェクトの重要な転換点と位置付けた。
2025年の訪越外国人数は2,120万人超で、前年比20%増となった。このうち中国からは約528万人で全体の25%を占め最大市場となった。
観光客の増加と貿易規模の拡大に伴い、安全かつ低コストの決済手段への需要が高まっている。
越境QR決済では、利用者は自国のアプリを用いて自国通貨のまま支払いが可能となる。
中国人観光客は電子決済アプリを通じ、ベトナム全国の店舗やホテル、観光地でQRコード決済を利用できる。
ベトナム国家決済株式会社(NAPAS)のグエン・クアン・ミン社長は、同国の決済インフラが中国の10億人超のユーザー基盤と接続された点を重要な節目と指摘した。
銀行各行も対応を進めている。ベトコムバンクは越境QR決済の決済銀行としての役割を担い、リスク管理体制の下で取引処理を行う。
サコムバンクもNAPASと連携し、訪越中国人向けサービスを展開している。
韓国との連携では、BIDVとハナ銀行が共同でサービスを開始した。韓国の決済ネットワーク利用者約1億1500万アカウントが、ベトナム国内の多数の加盟店で支払い可能となる。
取引はリアルタイムで処理され、ウォンとドン間で直接決済される。
越境QR決済は、通貨や為替、現金利用の障壁を低減し、企業や個人事業者にとっても外国人観光客の消費取り込みを後押しする。
小売やサービス、観光分野における競争力向上にもつながるとみられる。
今後は中国との双方向決済の実現を目指すほか、他国との接続も拡大し、地域横断的なデジタル決済エコシステムの構築を進める方針である。

































