<写真:vietnamnet.vn>
「ドリアンの王」とも称されるムサンキングのベトナム国内価格が、商業販売開始以来で最低水準に落ち込んでいる。
産地での価格は現在、1kg当たり5万〜7万ドン(約310〜430円)となっている。
中部高原ザライ省の農園主Dは、ムサンキング2トンを1kg当たり6万ドン(約370円)で販売し、経費を差し引いた利益は約4000万ドン(約24万7000円)にとどまった。
前年同期の半分程度である。過去には同品種が1kg当たり8万〜15万ドン(約490〜930円)で取引されており、2026年の価格は異例の低さという。
価格下落と高い栽培コストを受け、収穫後に約50本の木を伐採し、別品種へ転換する予定である。
ザライ省やダクラク省の調査では、中品質のムサンキングは現在、1kg当たり4万5000〜5万ドン(約280〜310円)程度で取引されている。
他品種も同様に価格が下落しており、いずれも前年同期比で約30〜50%下落した。
ダクラク省の仲買人Hによると、ムサンキングは品質による価格差が顕著で、果肉が基準を満たす高品質品でも最高で1kg当たり約7万ドン(約430円)にとどまる。
一方で、基準を満たす高品質品の供給は限られ、1日の集荷量は3〜5トン程度にとどまるとしている。
ドンタップ省ドリアン協会のボー・タン・ロイ会長は、価格下落の要因として供給増加と天候不順を挙げる。
降雨の長期化により果実の品質低下が発生し、一部地域では未熟果の割合が30〜40%に達した。
ムサンキングは栽培が難しく、農園間で品質差が大きいため、悪天候の影響を受けやすいとされる。
また、企業側は現在、輸出や加工基準を満たす原料のみを選別しており、中国市場でも栽培地コードや包装施設、農薬残留、重金属、トレーサビリティなどの規制が強化されている。
基準を満たす商品は順調に販売される一方、中品質品は国内販売や価格圧力にさらされている。
価格下落は他の主要生産国でも見られる。マレーシアではムサンキングの価格が1kg当たり30リンギット(約1000円)を下回り、前年同期の60〜80リンギット(約2000〜2700円)から半減した。
供給過剰を受け、同国首相アンワル・イブラヒム氏は中国との協力強化による消費拡大を検討している。
供給増加と品質基準の厳格化を背景に、ムサンキングは依然として高級品種とされるものの、従来の価格水準を維持できなくなっている。
基準を満たすロットであっても、取引価格は過去最低圏にある。





































