〈写真:image.poste.com〉
日本で働くベトナム人労働者にとって、滞在条件の厳格化や生活費の上昇が重なり、同国の就労先としての魅力が低下している。
6月中旬、バクニン省出身の29歳男性は6年間の滞在を終え、日本から帰国した。2020年に農業分野の労働者として来日したが、長期滞在を断念した。
2027年4月施行の新たな在留規定では、在留資格更新に日本語能力試験N4からN2の取得が求められる見通しで、最長5年の在留資格にとどまる同男性にとって継続は困難と判断した。
さらに、2026年7月から適用された行政手数料の引き上げも帰国を決断する要因となった。
在留資格変更や更新の手数料は従来の1万円から最大10万円に引き上げられ、年1回更新する場合、月収の約60%に相当する負担となる。
同男性の月収は17万円で、生活費は月9万〜9万6000円程度に上る。費用増が続けば、家族のための住宅建設資金の確保に10〜20年を要すると見込んだ。
同様に、宮城県に居住していた35歳女性も6月、約10年の生活を経て3歳の子どもとともに帰国した。
建設技師の夫と通訳の自身の合計月収は約32万円で、従来は月18万〜21万円を貯蓄していたが、2025年末以降の物価上昇で家計は圧迫された。
2026年6月以降、1000品目以上の食品が平均14%値上げされ、7月にも約2300品目が追加で値上げされた。現在の生活費は月18万円超に達する。
家族帯同ビザでは就労時間が制限され、収入増が見込めない中、3歳児のバイリンガル教育費は月約12万円に上ることも負担となり、帰国を決めた。
こうした動きは全体傾向にも表れている。人材会社によると、2026年上半期の技能実習生ビザ申請は前年比で30〜50%減少した。
中所得層の家族は生活費の増加に対応できず、帰国を選ぶケースが増えているという。
日本で安定した生活を送るには、世帯収入が月50万〜70万円に達し、少なくとも一人が日本語能力試験N2と大学学位を持つ必要があると指摘する。
就労意欲にも変化がみられる。人材サービス会社マイナビグローバルが7月7日に公表した調査では、日本で長期就労を希望する外国人の割合は2025年比で18.4ポイント低下し、1年以内の帰国を望む割合は12.7%と4.2ポイント上昇した。
日越共生支援会によれば、過去2年間で技能実習生が約2万人減少した。
規制強化の影響で、技能実習ではなく技術者名目で入国し単純労働に従事するケースもあり、高額な仲介費と期待を下回る収入が帰国を促しているという。
一方で、高い技能や語学力を備えた人材には依然として高収入の機会がある。
ナムディン省出身の28歳女性は、大学卒業と日本語能力試験N2を取得し、夫と合わせて月48万円超の収入を得ている。
こうした事例から、日本の労働市場は二極化が進んでいる。
同日越共生支援会の代表者は、日本はもはや単純労働で短期間に資産形成を目指す場ではなくなったとし、行政費用の引き上げに見合う賃金や社会保障の整備が必要であると指摘する。
また、外国人を低賃金労働力ではなく社会の構成員として扱うべきであるとし、今回の動きが製造、建設、介護、外食などで続く人手不足を一段と深刻化させる可能性があると述べた。





































