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所得は増加しているものの、物価上昇や借入負担の拡大を背景に、多くのベトナム国民が生活水準の改善を実感できていない実態が明らかになった。
統計局が7月上旬に公表した2025年の家計生活水準調査によると、前年の1人当たり月間平均所得は600万ドン(約3万7000円)で、2024年比10.9%増加した。
都市部では約740万ドン(約4万6000円)と前年比6.7%増え、農村部の1.42倍となった。
就業者に限ると、内務省雇用局の統計では月間平均所得は900万ドン(約5万6000円)となり、前年同期より71万7000ドン(約4500円)増加した。
また、Sun Lifeの2026年版金融レジリエンス指数では、調査対象となったベトナム人の22%が「金融面で非常に安心している」と回答し、調査対象6市場の平均を大きく上回った。
一方で、所得増加は生活水準の向上には直結していない。
Sun Lifeの調査では84%がインフレによって毎月の生活費負担が重くなったと回答し、食料品や光熱費、教育費などの上昇が家計を圧迫している。
2026年上半期の消費者物価指数(CPI)は前年同期比4.38%上昇し、住宅・電気・水道・燃料・建材が6.72%、交通が5.23%、飲食関連が4.79%それぞれ上昇した。
専門家は、生活実感が改善しない背景には「支出増」と「返済負担増」の二重の圧力があると指摘する。
Mirae Asset Vietnamによると、上場銀行の2026年第1四半期の新規不良債権は推計5兆3400億ドン(約330億円)に達し、前四半期比23.2%増加した。
貸出金利も上昇しており、実質年利が10.5%を超える融資を提供する銀行も約10行に上る。
Investing Vietnamのタ・ゴック・フオン・タオ代表は、所得の伸びが生活必需品のインフレと借入コストの上昇によって相殺され、一部の勤労者が生活向上を実感できない要因になっているとの見方を示した。
家計防衛の動きも広がる。Sun Lifeの調査では33%が生活費を賄うため預貯金を取り崩す意向を示し、23%が生活に不可欠な支出を削減、12%は老後資金への積み立てを中断した。
こうした状況を受け、政府は7月上旬、グエン・バン・タン副首相が年後半の物価安定とインフレ要因の早期把握を関係省庁や地方当局に指示した。








































