<写真:amp.laodong.vn>
ベトナム公安省は、デジタル空間における国民の積極的な行動を促進することを目的として、個人識別アプリ「VNeID」に「デジタル市民スコア」制度を導入することを提案した。
これは罰則や権利の制限を目的とせず、報奨によって望ましい行動を誘導する仕組みである。
同制度に関する法的根拠は現時点で存在しておらず、提案は新たな政策として注目を集めている。
提案されたスコア制度では、VNeIDアカウントの登録状況、各種デジタルサービスの利用頻度、政策への意見提出、オンラインによる行政手続きの実施状況などを評価項目として、ポイントが付与される。
例えば、法案に対する意見提出には10点、国会議員とのやり取りには5点、行政手続のオンライン完了には7点が加算される。
VNeIDの基本的な登録を完了した段階で100点が与えられ、以降の活動によってスコアが蓄積される仕組みである。
高得点者に対しては、税や各種手数料の減免、行政サービスの無料提供といった具体的な優遇措置が検討されている。
例えば、350点以上のスコアを保持する「積極的なデジタル市民」には、所得税や不動産取引に関する登録税など、5種類の税制優遇が適用される予定である。
また、高齢者、障がい者、少数民族といった社会的弱者に対しては、年間150点以上を獲得した場合に追加で50点が加算される特例措置が設けられる見通しである。
公安省は、本スコア制度の導入により、国民のデジタルリテラシーの向上を図り、行政手続の効率化および電子政府の構築を促進することを狙いとしている。
制度はまず試験的に導入され、その後、全国規模への展開が予定されている。
2024年7月時点で、VNeIDを利用したオンライン行政サービスの利用件数は1日あたり約42万5000件に達している。
一方で、全行政手続のうち約82%が依然としてオンライン化されておらず、国民の基本的なデジタルスキルの不足が課題として残されている。
公安省は、新制度の導入によって国民の意識改革を促し、積極的なデジタル社会への参加を後押しする考えである。








































