<写真:nguoiquansat.vn>
ハノイ市は「首都ハノイ総合計画・100年ビジョン」に基づき、都市景観、住居、文化遺産の再構築を目的とする大規模な都市再生計画を発表した。
本計画では西湖(ホータイ)およびその周辺地域を「最高レベルの景観中心地」として位置づけるとともに、環状3号線内の多くの街区においては、全面的な撤去と再開発が予定されている。
本計画の柱となるのは、都市空間の再構築における視点の転換である。
従来の「保存・改修」から「価値の再創造」へと方針を転じ、都市内の各区域に応じた再整備戦略を提示している。
特に環状1号線および2号線内では、歴史的・文化的価値を有する建造物や街区の保存と再構築に重点が置かれている。
バーディン区に位置する政治・行政の中枢(約134.5ha)およびホアンキエム湖周辺では、景観の管理と歴史的建造物の修復が進められる。
チャンティエン通りからオペラハウスにかけての都市軸の再整備が計画されており、広場や緑地、水辺空間の拡充とともに、地下空間の活用による政治・経済・商業の中核機能強化も検討されている。
旧市街(約81ha)では、伝統的な建築様式と文化の保存に加え、「観光・文化の象徴」としての経済的な活用も図られる。
歩行者空間の整備や創造的文化ゾーンの形成、夜間経済の推進、屋台文化の保護と振興が主要な方針となっている。
旧市街地(約200ha)においては、フランス植民地時代の「ガーデンシティ」型都市構造の保存と再構築が推進される。
碁盤目状の道路網、広い歩道、街路樹、広場、池といった都市景観の特色を維持しつつ、景観との調和を前提とした新築が認められる方針である。
西湖周辺(約462ha、湖面を除く)および紅河の景観軸(約1万1000ha)は、都市内でも最高レベルの景観・環境価値を有するとされており、文化的・歴史的価値の高い施設や地域の保存とともに、現存する住宅街の全面再構築が進められる。
交通インフラや景観整備も強化され、新規建設については景観との調和が重視される。
その他の区域では、街区単位での大規模な撤去を通じて、都市構造の全面的な再編が計画されている。
公共交通指向型開発(TOD)モデルに基づき、新たな中核拠点の形成が奨励され、半径500m圏内では高層開発が推進される見込みである。
都市の再編は、近代的なインフラ整備と密接に連動している。
多層的な交通網の整備、地下空間の活用、大型雨水貯留槽の設置による防災機能の強化などが計画に盛り込まれている。
また、人口構造の見直し、空間および景観の再構成、住民の再配置による都心部の負荷軽減も重要な要素とされている。
2026年から2045年にかけて、総計86万人以上の住民が移転対象となる。
第1期(2026年〜2035年)では、紅河沿いから約20万人、西湖周辺から約20万人、環状3号線内の一部から約4万2000人の移転が予定されている。
第2期(2036年〜2045年)では、旧市街から約2万7000人、旧市街地から約2万3000人、その他区域から約37万人が移転対象となる。
都心人口の分散政策は、1998年の都市計画以降繰り返し提起されてきたが、具体的な成果は限定的であった。
旧ホアンキエム区における1800世帯の郊外移転計画なども、実現には至っていない。
今回の100年ビジョンでは、街区全体を「白地再開発」する方針が明記されており、既存住宅の撤去後に高層化・低密度化を進めることで、インフラと都市機能の再編が図られる。
地価の高い中心部では、現地再定住を前提としつつ、高級住宅や商業施設の整備によって用地買収コストの補填を図る手法が採用される見通しである。









































