〈写真:znews.vn〉
ベトナムの首都ハノイの高級ホテル市場に、海外ブランドの新規参入が相次いでいる。市場調査会社の予測によれば、同市では2026年までに国際ブランドによる約1300室の5つ星ホテルが新たに供給される見通しである。
不動産サービス大手Avison Youngによると、2024年末以降、「Dusit Le Palais Tu Hoa Hanoi」(207室)や「Aravelle Suites Hotel」(150室)といった5つ星ホテルが相次いで開業している。
さらに4つ星分野でも、市中心部において「Boutique San Series」が展開し、134室を新規供給した。
現在、ハノイの5つ星ホテルの平均客室単価は1泊約160ドル(約2万4800円)で、稼働率は70〜75%で推移している。4つ星ホテルは平均95ドル(約1万4820円)、稼働率は68〜73%である。
ハノイ市は年間3000万〜3500万人の観光客受け入れを目標に掲げており、国際観光の回復や査証(ビザ)政策の緩和を背景に、中・高級帯の宿泊需要は安定的に拡大する見込みである。特に中心部や国際ブランドが運営する物件に需要が集中する傾向が顕著である。
2026年には、市場は一段と成長局面に入るとみられている。年内には中心部で「Wink Hanoi Westlake」が開業予定である。同ブランドは米大手ホテルグループHyattの「Unscripted by Hyatt」に加盟しており、これにより同社のベトナム国内の施設数は10に増加した。
一方、Savillsは、2028年までにハノイで約4000室の新規供給が見込まれ、その大半が4〜5つ星クラスになると予測している。さらに北部の周辺都市でも、交通インフラの整備を背景にホテル供給の拡大が進む見通しである。
不動産投資会社Indochina Capitalの最高経営責任者(CEO)であるMichael Piro氏は、2015年以降、ハノイ、ダナン、ホーチミンといった主要観光都市において客室供給が年平均約7%で拡大してきたと指摘する。
海外ブランドの参入は、国内事業者にサービス水準の向上を促すと同時に、世界的な販売ネットワークを通じて高付加価値の国際顧客を呼び込む効果があると分析している。
もっとも、課題も少なくない。航空路線は拡充が進む一方で、広域道路網や公共インフラの整備は依然として十分とは言えず、繁忙期や悪天候時には観光体験に影響を及ぼす可能性がある。
加えて、運営コストや金利の上昇、資金調達圧力は中小投資家にとって大きな負担となっている。2024年土地法および民間経済発展に関する決議68号により法的枠組みは強化されたものの、地方レベルでの実効的な運用にはなお時間を要する見込みである。
観光不動産は季節変動や国際需要への依存度が高く、世界経済やビザ政策の変動の影響を受けやすい分野である。Piro氏は既存ホテルの再ポジショニングや国際ブランドとの提携、M&A(合併・買収)を通じた戦略的連携が、単独運営よりも高い付加価値を生む可能性があると提言している。






































