<写真:tuoitre.vn>
ホーチミン市で、配車アプリのバイク運転手が配達の待ち時間を利用して軽食「バインチャン(ライスペーパー菓子)」を販売する様子が話題となり、ギグワーカーを取り巻く厳しい収入環境が改めて注目されている。
報道によれば、トゥードゥック市リンシュアン地区の飲食店で注文待ちをしていた若い配車アプリ運転手が、来店客に1袋1万ドン(約60円)のバインチャンを販売していた。
配車アプリ運転手は待機時間を活用して副収入を得ようと試み、客の多くは空腹というよりも、懸命に働く姿勢に共感して購入したという。
ベトナムでは配車・配送プラットフォームの普及に伴い、バイクタクシーや宅配の運転手は都市の日常風景の一部となった。
しかし、近年は運転手の数が増え、注文が分散することで収入が伸び悩む傾向がみられる。
特に週末や夜間に稼働する運転手が増えるほど、1人当たりの受注が減少する構造となっている。
さらに、運転手には基本給や固定手当がなく、収入はアプリのアルゴリズムによる配車や手数料体系に大きく左右される。
収入を確保するため、複数のアプリを同時に稼働させたり、配達と旅客輸送を兼業したりするなど、働き方を多様化させるケースも増えている。
社会生活研究所が2025年に実施した調査によれば、配車アプリ運転手やバイクタクシーの平均収入は前年より約11.6%減少し、月当たり約82万2000ドン(約4900円)の減少となった。
比較的景気の影響を受けにくい職種とされてきたが、収入の不安定さは依然として大きい。
読者からの反応でも、長時間労働や収入の低さに対する同情の声が多く寄せられている。
朝6時から夜10時から11時まで働いても、1日の収入が最大で40万ドン(約2400円)程度にとどまるケースもあるという。
さらに、プラットフォームへの手数料として約30%が差し引かれる場合もあり、副業は事実上不可欠になりつつある。
こうした状況を受け、配車アプリ運転手を正式な職業として位置づけ、社会保険や医療保険、事故保険などの制度を整備すべきであるとの意見も出ている。
現在は「プラットフォームのパートナー」という扱いであるため、労働者としての保護が十分ではないとの指摘が多い。
配車アプリ運転手の柔軟な働き方はデジタル経済を支える一方で、制度的保護の不足という課題を浮き彫りにしている。
専門家は法制度の整備と社会保障の拡充が進まなければ、持続可能なデジタル労働市場の形成は難しいと指摘している。





































