<写真:baotintuc.vn>
ベトナムの銀行業界では、資金調達圧力の高まりを背景に、預金金利の引き上げ競争が激化している。
信用供与の伸びが預金の増加を上回り、流動性が相対的に低下していることが主因である。
預金金利は2025年末以降、上昇傾向が続いており、年初からも多くの銀行が1〜2%の引き上げを実施している。
公表金利に加え、一部の民間銀行では数億ドン規模の預金に対して年8%以上の金利を提示する例も見られる。
こうした動きは中小銀行にとどまらず、BIDV、ベトコムバンク、ベティンバンク、アグリバンクといった国有大手4行にも波及しており、過去半年で3度の利上げが行われている。
背景には、長期にわたり信用残高の増加が預金の伸びを上回ってきたという構造的な問題がある。
2025年には多くの銀行で貸出残高対預金比率(LDR)が100%を超え、資金不足を補うため銀行間市場での借入や債券発行への依存が強まった。
さらに、国家財政資金の預金がLDR算定から除外されたことで、特に国有銀行における比率が上昇し、個人預金の獲得競争が一段と激化している。
加えて、中央銀行が公開市場操作による大規模な資金供給を抑制し、選択的な流動性管理を行っていることも、各行の資金確保圧力を高めている要因である。
また、為替の安定を優先する金融政策も影響している。ドン金利を相対的に高く維持することで米ドルとの金利差を確保し、通貨安圧力を抑制する狙いがある。
さらに、中東情勢の緊迫化によるインフレ懸念や、米連邦準備制度理事会(FRB)が高金利政策を維持していることも、国内金利の低下余地を限定している。
専門家は、こうした構造的な流動性制約は少なくとも2026年前半まで続く可能性があると指摘する。
銀行関係者の間では、預金金利は当面高止まりし、少なくとも第2四半期末までは横ばい、あるいは小幅な上昇が続くとの見方が強い。




































