<写真:nld.com.vn>
ベトナム政府は医療分野の行政違反に関する政令90/2026を公布し、医師の指示なしに処方薬を販売した場合の罰金を大幅に引き上げた。新規定は5月15日に施行される。
新たな規定では、処方箋が必要な薬を医師の指示なしに販売した場合、1000万~2000万ドン(約6万~12万円)の罰金が科される。
従来の500万~1000万ドン(約3万~6万円)から倍増となる。このほか、医薬品販売に関する複数の違反行為にも同水準の罰則が適用される。
長年にわたり、抗生物質や特効薬が診察なしで容易に購入できる状況が続いてきた。こうした慣行は薬剤耐性の深刻化を招き、公衆衛生への直接的な脅威となっている。
保健当局は抗生物質の処方箋販売を求めてきたが、従来の罰則が軽微であったため、多くの薬局が従わないケースが見られた。
世界保健機関(WHO)の推計によると、2020年から2023年にかけてベトナムでは薬剤耐性により約30万件の死亡が発生した。
細菌やウイルス、真菌、寄生虫が変異し、既存の薬剤が効かなくなることで、症状の重症化や治療期間の長期化、医療費の増大、死亡リスクの上昇が引き起こされる。
新政令は医薬分野の人材管理も強化する。
資格証の貸与や借用には1000万~2000万ドン(約6万~12万円)の罰金が科されるほか、専門資格を持たない販売員に対しては100万~300万ドン(約6000円~1万8000円)の罰金が適用される。
また、オンライン空間においては、処方薬や販売制限薬、特別管理薬の電子商取引プラットフォームでの販売を全面的に禁止した。
オンラインで医薬品を取り扱う場合、事前に当局への報告が義務付けられる。
さらに、臨床試験用薬の売買や、病院内で調製された薬剤の市場流通、許可未取得の制限薬取引も禁止対象とした。
大規模チェーン企業には、傘下店舗の一覧の透明化や、専門責任者の変更時の速やかな報告が求められる。
専門家は、今回の厳格な罰則強化により、自己判断での治療習慣の見直しが進み、適切な診察と処方に基づく薬使用が促されると指摘している。
同時に、薬局や医療従事者の責任意識が高まり、抗生物質の適正使用が徹底されることが期待されている。








































