<写真:tienphong.vn>
ハノイ市のマンション市場における取引が大幅に減少し、2026年第1四半期の譲渡件数は約4000件と前期比60%減となった。
One Mount Groupの報告によると、同四半期の不動産市場全体の取引量は約1万1100件で、前期比50%減、前年同期比12%減となった。
このうちマンションは約4000件で、前期比60%減、前年同期比26%減と落ち込みが目立った。
同社は、四半期ベースの減少について、テト(旧正月)後の季節要因や買い手の慎重な心理を背景に挙げる。
一方、前年同期比の減少は、金利やインフレ、地政学リスクといったマクロ要因により投資資金が慎重化していることを反映していると分析する。
One Mount Groupによれば、市場は短期売買中心から、選別的な動きへと変化しており、投機的資金が弱まって実需や長期保有目的の購入が主流になりつつあるという。
建設省の報告でも同様の傾向が確認されており、第1四半期の全国取引件数は約13万9800件で前期比約8%の減少となった。
このうちマンションと戸建て住宅は約3万850件と、前期比約19%減となった。
市場では供給増加も影響している。
Cushman & Wakefieldベトナムによると、2026年から2028年にかけてハノイ市では2万8000戸以上の住宅が引き渡される見込みであり、供給増と流動性低下が重なることで、特に借入を活用する投資家にとっては負担が増している。
高い資金コストに加え、販売条件が柔軟な新規物件との競争が投資家に圧力をかけているという。
今後については、2026年内も実需主導の市場が続くとみられており、法的整備が明確で即入居可能な物件が優位になる可能性が高い。
一方、Cushman & Wakefieldは、今後2年間で約6万8000戸の新規マンション供給が見込まれ、中心部から周辺部へのシフトが進むと指摘している。
大量供給は投機目的の物件に価格下落圧力をもたらす可能性があるとしている。
足元では価格が高止まりし、金利も変動しているため、購入者の慎重姿勢は強い。
一次市場の平均価格は1㎡当たり1億200万ドン(約61万2000円)で、3四半期連続で1億ドン(約60万円)を上回り、前年同期比29%上昇した。
二次市場でも平均6200万ドン(約37万2000円)で、前年同期比21%上昇している。
住宅ローン金利は年10〜14%で推移し、家計の返済負担が重く、購入判断に影響を与えている。
加えて供給増により賃貸利回りは低下しており、投資妙味も薄れている。
実際、賃貸利回りは全国で2%未満、都市部でも3〜4%程度にとどまり、預金金利を下回る水準となっている。
このため、多くの購入者が様子見姿勢を取り、価格調整を待つ動きが広がっている。
供給不足は解消しつつあるものの、その約80%が郊外に集中していることも、中心部で働く実需層の購入を遅らせる要因となっている。
市場関係者は、短期売買志向の弱まりに伴い、投資戦略は中長期志向へと転換するとみている。
また、社会住宅の所得上限引き上げや、適正価格の商業住宅開発の試行などが、実需の拡大と市場の安定化に寄与すると指摘している。

































