<写真:amp.cand.com.vn>
ベトナム中部タインホア省で日本脳炎の感染が確認され、死亡例も発生するなど、夏季に向けて警戒が強まっている。
タインホア省疾病対策センターは7日、同省で日本脳炎の感染者3人を確認し、このうち東山坊に住む14歳の少女1人が死亡したと発表した。
少女は高熱や頭痛、嘔吐、倦怠感、ろれつ障害などの症状を示し、急速に多臓器不全と不可逆的なショック状態に陥った。ワクチン未接種であったという。
地元当局は監視体制の強化に加え、未接種者への追加接種や追跡接種を進め、接種率95%以上の維持を求めている。
専門家によると、日本脳炎は同名のウイルスによって引き起こされ、ウイルスを保有するコガタアカイエカに刺されることで人に感染する。
ウイルスは主に豚などの家畜や野鳥の体内で維持され、感染した蚊が吸血することで媒介される。人から人への感染はほぼない。
潜伏期間は5~14日で、初期には高熱や頭痛、倦怠感、嘔吐などが現れるが、他の感染症と区別がつきにくい。
重症化すると中枢神経が侵され、項部硬直、意識障害、けいれん、昏睡などが生じる。
ベトナムでは日本脳炎は通年で発生するが、特に5月から7月にかけて増加する傾向がある。
高温多湿や降雨により媒介蚊が増殖しやすいことに加え、水田や養豚場などの環境が感染リスクを高めるとされる。
世界保健機関(WHO)によると、日本脳炎はアジア地域で重要なウイルス性脳炎の原因の1つで、年間約10万件の臨床症例が報告されている。
多くは無症状または軽症にとどまるが、発症した場合は死亡や神経・認知機能の後遺症を残す可能性がある。
ベトナム国内では、国立小児病院の研究で年間60〜100例が入院している。
2018年から2022年にかけて15歳未満の患者260人を対象とした調査では、92%以上が農村部出身で、5歳以上15歳未満が最多を占めた。治療後も55%に神経学的後遺症が残った。
また、北部で2014年から2023年にかけて行われた別の研究でも、6~7月に感染がピークとなる季節性が確認されている。
現在、日本脳炎に対する特効薬はなく、治療は症状の緩和や合併症の管理が中心となる。このため、ワクチン接種と蚊に刺されない対策が重要とされる。
予防策としては、住環境の衛生管理や水たまりの除去、家畜飼育施設の住宅からの分離などが挙げられる。
子どもは昼間も蚊帳を使用し、屋外では長袖衣服の着用や年齢に応じた虫よけの使用が推奨される。
ベトナムでは複数のワクチンが利用可能である。国産の「ジェバックス」は生後12か月以上が対象で、基礎接種3回後、3年ごとに追加接種が必要とされる。
タイ製の「イモジェブ」は生後9か月以上に適用され、18歳未満は2回接種、成人は1回接種とされる。
インド製の「ジーブ」は生後12か月から49歳までが対象で、少なくとも1か月間隔で2回接種する。
専門家は、既に別のワクチンを接種した子どもでも、適切なスケジュールで他のワクチンに切り替えて接種を完了できる場合があるとして、接種記録を持参のうえ医師の指導を受けるように呼びかけている。








































