<写真:vov.vn>
ハノイ市が歩道や車道の有料貸し出しによる商業利用を試行する方針を示す中、旧市街の住民や店舗主の間で、利用者の選定や営業内容を巡る不安が広がっている。
ハノイ市建設局は現在、都市経済やナイトタイムエコノミーの発展を目的とした歩道・車道の管理および活用に関する市人民評議会決議案について意見募集を行っている。
初期段階の試行区域にはホアンキエム坊などが含まれ、歩道の貸出料金は1㎡当たり月額4万5000ドン(約270円)とされている。
ホアンキエム坊ハンボー通りに面した住宅に住む住民は、2~4㎡のスペースが月額10万~20万ドン(約600~1200円)で利用可能になる見込みについて、「誰にとっての機会なのか分からない」と懸念を示す。
自身の店舗拡張を望む一方、外部の借り手が飲食販売を行う場合の利害衝突への対応を問題視している。
同様に、ハンガイ通りで土産物店を賃貸する家庭も制度自体には理解を示しつつ、貸与対象や販売品目の基準が不明確である点を指摘する。
歩道での飲食営業に伴う調理や排水により、衛生や景観の悪化を招く可能性を懸念する声も上がる。
さらに、歩道に加え車道の一部も駐車や営業目的で貸し出される可能性があり、駐車スペースを巡る「顧客の奪い合い」など新たな摩擦が生じるとの見方もある。
こうした状況を踏まえ、一部の店舗主は自ら歩道を借り受けた上で再貸与することで、営業内容を管理しようとする動きも見られる。
元建設省都市開発局長のルー・ドゥック・ハイ氏は、地元住民の生計を優先しつつ、貧困層や長年地域で営業する個人にも利用機会を与える必要性を指摘する。
貸与対象の選定については透明性を確保し、「申請と許可」に依存する仕組みを排除することが重要であると述べた。
ホーチミン市では2年前から同様の試行が行われ、1年以上で約70億ドン(約4200万円)の収入を得た。
一方、時間単位での利用に対し半月または1か月単位でしか課金されないなど、運用面での課題も指摘されている。貸出面積の定義についても実際の使用範囲との乖離があるという。
ハノイ市の試案では、歩道貸与には沿道住民や事業者の少なくとも50%の同意が必要とされるが、この条件の達成は困難との見方もある。
同意が得られない場合は従来通りの管理に戻るため、「誰も借りられない方が公平」との意見も出ている。
地元メディアの調査では、3000人以上の回答者のうち6割超が歩道貸し出しに反対した。
ハイ氏は、住民が懸念するのは都市の活気そのものではなく、無秩序や不衛生の再発であると指摘する。
同氏は、安全な歩行空間の確保を最優先とし、衛生や食品安全、景観に関する厳格な基準を設ける必要性を強調する。
また、各貸与区画にQRコードを設置し、利用者や面積、営業内容、期間を公開するなど、デジタル技術を活用した管理の導入も提案している。






































