<写真:daibieunhandan.vn>
電子商取引プラットフォーム各社は、販売者の本人確認やAIによる監視、抜き取り検査などを通じて、オンライン上の偽造品対策を強化している。
ホーチミン市在住の消費者の間では、低価格に引かれて購入した商品が偽物や低品質品である疑いから返品するケースが相次いでいる。
ペットフードを購入した36歳女性は、従来と異なる品質に不信感を抱き返品した。また、29歳男性もセールで購入したシャンプーについて、香りや質感の違いから使用を断念したと語る。
ベトナム商工省傘下の電子商取引・デジタル経済局によると、オンライン小売市場規模は前年に310億ドル(約4兆9300億円)に達した。
2026年第1四半期には、Shopee、TikTok Shop、Lazada、Tikiの大手4社の流通総額(GMV)が約148兆6000億ドン(約8968億円)となり、2025年同期比で約47%増加した。
出店数も約4%増の49万0900店舗に拡大している。
一方、市場拡大に伴い偽造品問題も深刻化している。2026年に入り、ホーチミン市やタインホア省などで、著名ブランドを模倣した商品をオンライン販売していた事業者の摘発が相次いだ。
ホーチミン市では、衣料品やバッグ、時計などの偽ブランド品をSNS上で販売していた事業者が逮捕され、また別の2つの偽造品販売グループも摘発された。
商工省の国内市場管理・開発局は、偽造品や出所不明商品の流通、知的財産権侵害がオンライン上で複雑化していると指摘する。
特に食品、医薬品、化粧品、電子機器や高級ブランド商品などがリスクの高い分野とされる。
対策として各プラットフォームは、まず販売者に対し商品の合法性や原産地情報の保証を義務付けている。
出店時には身分証明書や関連書類の提出が必要で、商品カテゴリーによっては品質検査証明などの追加提出も求められる。
運営段階では、AIを活用した監視体制を導入している。Lazadaは自動検知システムと人手による審査を組み合わせ、日々多数の商品を検査している。
Shopeeも画像や商品名、価格など複数の要素を分析するAIを継続的に更新し、不審な商品を検出する仕組みを整備している。
TikTok Shopは5億ドル(約795億円)超を投じて技術基盤と審査体制を強化し、第三者による月次の抜き取り検査も実施している。
毎月約100件の注文を無作為に検査し、商品説明との一致を確認する。
ただし、販売者による手口は巧妙化している。偽造された証明書の提出や、商品名・画像の変更による監視回避などが確認されており、プラットフォーム側は関係機関との連携強化が不可欠としている。
また、匿名アカウントの利用や所在地の非公開、ライブ配信機能の悪用など、新たな販売手法も問題となっている。
知的財産権保護の観点から、ShopeeやLazadaは偽造品に関する通報窓口を設置している。
Shopeeでは利用者が違反商品を報告でき、Lazadaは返品対応や偽物判明時の倍額返金制度を導入している。
さらに2025年6月以降、各プラットフォームはICチップ付き身分証明書(CCCD)とNFC技術を用いた販売者認証を開始し、本人確認の精度向上を図っている。
Shopeeは税番号など公的データとの照合も行う。
政府も取り締まりを強化しており、首相の指示を受けて関係機関が連携し、オンライン上の違反情報の共有や迅速な削除対応を進めている。
各社は、偽造品対策にはプラットフォームと当局だけではなく、消費者の注意も重要であると指摘する。
購入時には価格や出所、レビューの確認、販売者への問い合わせが推奨されている。





































