<写真:image.poste-vn.com>
米国とイランが3か月以上に及ぶ軍事衝突の終結に向けた和平合意に達したことで、エネルギー市場を中心に世界経済の緊張が緩和する兆しが広がっている。
両国は6月14日、戦闘終結に向けた合意を発表し、19日にスイスで正式署名する予定である。
米国のドナルド・トランプ大統領は、対イラン海上封鎖を即時解除する代わりに、イランがホルムズ海峡を通行料なしで再開放すると表明した。
パキスタンのシャバズ・シャリフ首相も、軍事行動の「即時かつ恒久的な停止」を確認した。
この発表を受け、国際市場は大きく反応した。
原油価格は急落し、米WTIは6%下落して1バレル79.8ドル(約1万2800円)、ブレント原油は5.1%安の82.8ドル(約1万3300円)となり、いずれも約3か月ぶりの安値を記録した。
アジアの株式市場も上昇し、韓国の総合株価指数は5.2%高、日本の日経平均株価は5%高となった。
為替や債券市場でも変動が見られ、ドル指数は0.3%低下し、米10年債利回りは0.05ポイント下落した。エネルギー価格上昇によるインフレ懸念が後退したことが背景にある。
市場関係者は、ホルムズ海峡の再開がエネルギー供給の正常化につながるとみている。
同海峡は世界の石油・液化ガス輸送の約20%を担っており、封鎖は特にアジア諸国に大きな影響を及ぼしていた。
現在、ペルシャ湾には約6000万バレルの原油・石油製品が滞留しているとされ、まずはこれらの輸送再開が進む見通しである。
その後、中東各国の在庫放出と輸出回復が進み、最大で日量約1100万バレルの供給が復帰する可能性がある。ただし、供給網の完全な正常化には数か月を要する見込みである。
原油価格の下落は、エネルギー依存度の高い産業や国に恩恵をもたらす。
韓国では精製・石油化学産業の収益改善が期待され、インドでも輸入コストの低下によるインフレ圧力の緩和が見込まれている。
また、肥料原料である尿素の供給不安も緩和される可能性がある。
一方で、供給回復には時間がかかるとの見方も根強い。海上の安全確保、保険再開、人員復帰、インフラ再稼働などが必要であり、輸送や精製の過程も長期に及ぶ。
さらに、一部の産油国は停戦の持続性を見極めるまで生産再開を控える可能性がある。
専門家の間では、ホルムズ海峡の完全な機能回復には数週間から数か月、場合によっては1年程度かかるとの指摘もある。供給不足が2026年まで続く可能性も否定できない。
また、市場の不確実性は依然として残る。金価格は1オンス4300ドル(約68万9000円)近辺まで上昇しており、投資家が合意の持続性に懐疑的であることを示している。
合意内容の詳細が限られていることも不安要因である。
今回の和平合意は、エネルギー価格の低下を通じて企業や中央銀行の負担軽減につながる可能性がある一方、供給網の回復や地政学的リスクの解消には時間を要する見通しであり、世界経済への影響は段階的に現れるとみられている。




































