<写真:tienphong.vn>
ベトナム航空は、世界的な燃料価格の急騰を受け、経営陣の給与削減や投資縮小などのコスト抑制策を強化している。
5月15日に開催された航空・観光需要喚起に関する討論会で、同社の副社長でありパシフィック航空会長のディン・バン・トゥアン氏は、中東情勢の影響によるジェット燃料価格の変動が航空業界に大きな打撃を与えていると説明した。
燃料価格は一時、計画比で最大3倍に達し、運航コストを押し上げている。
同氏によると、燃料価格が1ドル(約155円)上昇するごとに年間で約3000億ドン(約18億円)のコスト増となる。
現在の運航規模を維持した場合、2026年には約30兆ドン(約1800億円)の損失が発生する可能性があるという。
こうした状況を受け、同社は新規投資案件や運航コストの削減に加え、経営陣の報酬見直しを実施した。
会長の給与は50%削減、副社長は40%減、部門責任者は30%減とした。また、無給の交代勤務など、コロナ禍で導入した施策も再導入している。
運航面では、紛争の影響で空域混雑が緩和された機会を活用し、飛行距離の短縮を図る「ショートカット飛行」を申請している。
加えて、大規模空港での最適な着陸手法の導入や、燃料価格の低い近隣国での給油などを進めている。
一方、航空機リース料や整備費、部品費も上昇しており、機材供給の逼迫から機材規模の調整を余儀なくされる航空会社も出ている。
ベトラベル航空の商業部門責任者であるズオン・ホアン・フック氏は、価格競争ではなく、路線網や運航スケジュールの最適化、付帯サービスの拡充などにより収益源の多様化を図る戦略を示した。
政府は燃料輸入税を6月末まで0%に引き下げているが、航空当局はこれだけでは企業の損益分岐点到達には不十分とみている。
税制優遇の延長や信用支援、燃料サーチャージ導入の検討などが進められている。
ベトナム民間航空局によると、第1四半期の航空旅客数は2410万人超と前年同期比16%増となった。内訳は国内線が約1020万人、国際線が約1400万人である。
ベトナム航空は第2四半期に約4兆5000億ドン(約270億円)の赤字を見込み、上半期全体でも小幅な赤字となる見通しである。
第1四半期はテト需要や欧州路線の拡充により、約4兆5000億ドン(約270億円)の過去最高益を計上していたが、燃料価格上昇の影響は第2四半期以降に顕在化するとしている。
同社は2024年に新型コロナウイルス後の赤字から脱却し、同年は7兆9570億ドン(約477億円)、2025年は7兆6070億ドン(約456億円)の純利益を計上していたが、今後は収益性の圧迫が続く見込みである。








































